植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

僕が気を付けている事。

僕は、お話をするときに、すごく気を付けていることが2つあります。
 
一つは、「夢は必ず叶う」と言わないようにしています。
僕は、「思うは招く」と言っています。
これは、「思考をやめなければ、チャンスに気がつけるし、アクションを起こせる」事じゃないかなと思っています。
思っているだけで叶うことなんてないです。
大事なのは、行動です。
「思っているだけで、必ず叶うよ」なんて、そんな都合のいいことないです。
あくまでも「思うは、招く」です。
 
もう一つは、「僕に出来たんだから、君にもできる」と言わないことです。
なんて上から目線なんでしょう。
僕が、似たことを言うときは、「僕が小さい頃よりも、みんなは科学が発達した時代を生きているよ。インターネットで世界とつながれる。宅急便も世界とつながってる。だから、みんなは、きっと、僕よりもおもしろいことが出来るよ。僕はみんながうらやましいよ。」です。
 
俺に出来たんだから、お前もできて当たり前だ。
なんでこんな事も出来ないんだ!
怠けてるのか?もっとまじめにやれ!
なんてのは、パワハラ上司が、自慢するために使う言葉です。
 
大変ありがたいことに、僕の思いに共感してくれて、
僕の代わりに、僕の思いを伝えてくれる人が増えています。
でも、時々、僕が決して言わないようにしてる言葉を使う人達もいます。
それは、とても残念なことだし、僕の伝え方が不十分なんだと悔やみます。
 
思いを伝えるのは、なかなか難しいです。
だから、伝え方の工夫をし続けないとね。

年上を敬え、という人は、尊敬できない人のことが多い。

僕が時々違和感を覚えるのは、
「年上を敬え」という圧力を、
「年上」が「後輩」に押しつけるシーンです。
 
え、それって、「俺を敬え!」って言ってるってこと?
あのー、すいません、何様ですか?
 
主に体育会系経験者によく見られる言動かな、と思いますが、
そうとも限りません。
体育会系の情報を又聞きして、よくわからないままに劣化コピーしてやってる文系の人もいます。
 
で、ちなみに、こういうことを自分で言っちゃう人は、
年下から敬われていないと思ってる人です。
そして、敬われないのには理由があります。
尊敬や信頼を得られない行動をしています。
 
僕はいろんな大学生と関わりますが、
プロジェクトマネージャーに、うっかりこういう人がなったら
悲劇です。
高圧的にいばりちらし、的を得ないちぐはぐな命令をします。
具体的な指示をしないくせに、他人がやったことに対しては、
文句をつけ、修正をかけます。
こんなことされたら、すべきことは一つです。
「そんなに言うなら、お前やれよ!」です。
そうすると、怒鳴り散らす先輩は、「お前ら、年上を敬え!」と、さらに圧力をかけ、説教をします。
悪循環完成!
 
長く生きていると、人生経験が豊富になる可能性は高いです。
でも、長く生きているから、人生経験が豊富とは限りません。
だから「年齢」で優劣や上下を決めるのはナンセンスです。
 
少し昔の軍隊では、「命令に従わないと成立しない」システムでしたから、命令が間違っていようがいまいが、余計なことを考えずに、命令に従うことが重要になりますが、現在では、その方法では、指揮官が負傷した場合などに、チーム全体が機能を失うことがわかっているので、兵士一人一人の思考能力が重要になっています。
でも、いまだに、第二次世界大戦当時ばりの「命令服従システム」が生き残ってる世界は、おもったよりあります。
でも、そういう組織は、これから、どんどん力を失っています。
 
僕は、たしかに、いろんなことを経験してきました。
そんな僕がすべきことは、その経験を自慢することではなく、
有効だった経験を、いかに仲間に伝えるか、です。
いかにして、後輩を、自分以上の場所に押し上げるのか?
そして、自分は、そんな後輩に負けないように、よじ登り続けるのか?
それがきっと大事だと思っています。
だから僕は、沢山の本を読みます。沢山の人と話をします。
それが、僕の必死の「よじのぼり」です。
 
「俺を尊敬しろ!」「俺を敬え!」って、どんな悪役ですか。
ばかなこと言ってないで、よじ登った方がいいよ。
そして、後から来る人に、ザイルをおろしてあげな。
足場をつくってあげな。
きっと、信頼され、必要とされると思います。

6月10日、11日は、赤平に来てね(赤平ツクリテフェスタ)

先日お知らせした、赤平ツクリテフェスタ。
出展者の応募が締め切られました。
応募の倍率はおおよそ2倍だそうです。
素晴らしい作品ばかりで、選考するのが申し訳ない感じだそうです。
でも、今回が初回の取り組みなので、
いきなりあまり規模を大きくすることに不安があります。
だから、やむを得ず、選考せざるを得ませんが、
今年がうまくいけば、来年はもっと規模を拡大するそうです。
土地はあるしね。
そのためにも、今年、沢山の人が参加してくれたらうれしいです。

今回のツクリテフェスタでは、様々な作家さんのワークショップなども行われる予定だそうです。
素晴らしい作品を見て、そして、自分でも体験して、
出来ることを増やすことができます。
それはきっと、ちいさな自信につながると思います。
お子さんとご一緒の参加も、すごくいい思い出作りが出来ると思います。

植松電機としても、会場提供だけではなく、
会社の設備を体験してもらったり、ロケットのワークショップも準備します。
他にも、赤平匠塾が、沢山の「おもてなし」を考えているそうです。
きっと、とてもおもしろい「ものづくり体験」のイベントになると思います。

ぜひ、6月10日、11日は、スケジュールをあけて、
赤平に来て欲しいです。

 

あかびらツクリテフェスタ | つくるをつなげるイベント

大学に価値はあるのか?(昔よりは、ざっくり1/4くらいに目減りしてるみたい)

ふと考えてみたら、近隣でも高校がどんどん統廃合されてるのに、
大学って減らないですね。
 
調べてみたら、僕が受験した頃と比べて、浪人生の数はおおよそ半分になってました。
 
高校の生徒数は減っているのに、推薦枠は小さくならないから、
推薦で大学に行ける人の割合は、相対的に増えてる感じ。
 
もう、大学進学は「普通」な感じかも。
(まさに、「普通科」の進学先)
 
てことは、大学進学の優位性は、どんどん低下してるって事です。
 
希少だから価値があったものが、
数が増えれば価値が下がるのは、これはもう、当たり前です。
 
調べてみたら、僕が進学した1984年頃の大学進学率は24%程度。
現在は52%程度。
進学率が2倍。てことは、大学進学の希少価値は半分かな。
ちなみに、この間に、学費はおおよそ2倍になってます。
ということは、投資した金額あたりの価値は、約1/4ですね。
 
そりゃ、大学進学は無意味だ、なんて言う人がいるのもうなずけます。
 
でも、僕の経験では、僕は大学で衝撃を覚えています。
高校であれほど理解に苦しんだ数学も物理も英語も、
大学に行ったら、輝きました。するっとわかりました。
なぜなら、大学の授業は、意味を考える授業だったからです。
そのとき、「高校の受験対策の暗記型授業こそ無意味だ」と心底思いました。それに気がつけて良かったです。
ただし、残念ながら、大学では、僕が学びたかったことは、授業では教えてもらえませんでした。
でも、大学には、素晴らしい図書室がありました。
そこには、もうすでに手に入らない本が山ほどありました。
それを、ナンボ読んでも、成績には関係ないです。でも、読んでもいいです。
そして僕は、とれる限り授業をとりました。だって、同じお金払うなら、沢山授業受けた方がいいです。でも、途中で「時間の無駄」と感じた授業には行かなくなりました。だから僕の成績表は、「優」も沢山あったけど、「不可」も沢山あったそうです。就職の時に、採用の係の人から「なんでこんなに不可があるの?」とあきれられました。
 
また僕は、大学で、「測定」を学びました。
これは、今もすごく役にたっています。
 
だから僕は、大学は無意味だと思わないです。
でも、自分の知りたいことややりたいことを、もっと深く掘り下げるために活用するつもりで進学しないと、時間もお金も無意味になると思います。
偏差値で入れそうな所にはいる、のは、ものすごく危険だと思います。
 
でも、いまの高校では、「知りたい」と「やりたい」を持つヒマもないほどに、部活と勉強が忙しすぎます。
僕は高校時代は部活はほとんどやっていません。自分の好きなことをやっていました。それは、まちがいなく、進学後にすごい力になりました。
 
勉強について、「数学なんて社会に出てから何の役にもたたない!」なんて言う人もいますが、それは、あなたが数学を役立たせる生き方をしていないだけですよ、と思います。
僕は、数学の成績は悪かったけど、数学はいまの生活にすごく役にたってます。というか、必要です。
 
 
大学を無価値にするのか、価値にするのか、それは、それぞれの生き方にかかってるかもしれません。
でもきっと、自分への投資を価値にできる生き方をしたほうがいいと思います。
だって、それができないってことは、成長しないって事だから、年々性能が向上するロボットに負けるし、成長する後輩にも負けるって事です。
まあ、だからこそ、後輩をいじめて、成長しないように押さえつけてる先輩や上司もいますけど、そういう人は、その組織にとって害悪ですから、排除しないと会社がまずいです。
 
僕は、大学の価値を活かせる人を育成することが、保護者と、中学高校の大事な役目じゃないかなと思っています。
 

5月13日は、大阪です。同伴の子ども無料。今日まではチケット早割。

5月13日は、大阪で講演させていただけます。
 
タイトルは「夢カレッジ」です。
 
僕は午後から登壇です。
午前から、個性を活かして活躍されてる方が何人も登壇されます。
 
世の中は、すっかり変わってしまいました。
この価値観の変化は、おそらく
「ちょんまげ」から「ざん切り頭」へ
軍国主義」から「現在の日本」へ
ぐらいの価値観の変化じゃないかと思います。
ちょうど、タイムサイクルも同じくらいだし。
 
今までの日本では、「素直でまじめ」な人は仕事に就けました。
でも、いまや「素直でまじめ」はロボットの仕事です。
これからは、「個性」がとても重要です。
人間も企業も「必要だよ」と言われたら大丈夫です。
そして、「必要」とされるには「個性」が必要です。
そして、「個性」は、誰かに教えてもらえる物でも、流行でもありません。ましてや「一般常識」とか「普通」のわけないです。
 
個性とは、自分自身で考えて試した結果です。
今回登壇される方々は、みんなそれをやった人です。
特別な人じゃないと思います。
個性の大切さに気がついて、自分で考えて試した人です。
 
その様々なパターンを学ぶことで、おそらく、
従来とは違う視点での思考が出来るようになります。
それこそが、本当の個性への第一歩だと思います。
 
なんでも、今日までが「早割」だそうで、
ずいぶん安くなるみたい。
そして、なんといっても、同伴のお子さんは無料です。
一人連れてきたら、半額になる、ってことですね。
 
いま、受験は猛烈に変わります。
いま中学生や高校生の子達は、そのすさまじい変化に直面します。
それこそ、価値観が大きく変わってしまうなかで、
新しい時代の新しい価値観を知ることはとても大事です。
 
高校生や、中学生だと、なかなか説得しにくいかもしれないけど、
もしかしたら、僕のTEDxのYoutubeを見せたら来てくれるかも。
 
今日が締め切りの早割を、今日教えるなよ、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、先月今月とほとんど会社にいなかったので、ものすごく忙しくなってしまい、うっかりしてました。
 
「必要とされるためのヒント」が学べる「会」だと思いますよ。
 
 
 

デマの拡散者にならないために

大きな災害のときなど、
デマが人に誤った行動をとらせて、問題になることがあります。
 
たいていの場合、もともとの「デマ」は、情報ではなく、誰かの不安を文字にしただけだったります。
しかし、その「デマ」が、「情報」になってしまうのは、
拡散のおかげです。
 
自分が耳にしたことを、自分で確認せず、検証もしないで、他人にまことしやかに教えてしまうことで、間違った情報の力がどんどん強くなっていきます。
そして、人に誤った行動をとらせてしまいます。
 
そしてそれは、災害時に限ったことではありません。
 
「進学しないと、大変なことになるぞ!」
「世の中は学歴がなければ、大変なことになる!」
 
この情報。自分で検証したり、確認したりしてる人は、
どれだけいるでしょうか?
 
たとえば、自分が教えた生徒が、卒業後にどうなっているのかを、追跡調査している先生が、どれほどいるでしょうか?
 
僕が知ってる限りでは、卒業生に慕われ、よい関係を作れている先生は、卒業生の最新の情報を手に入れられるため、「学歴は就職などに有利になることもあるけど、学歴が良ければ絶対安心、なんてことはない。」という情報を、現在の生徒に伝えることができています。
 
「自分は学歴で苦労したから、子どもにはそんな思いをさせたくない」という人もいるでしょう。
でもね、その情報は、約20年から30年前の情報じゃないですか?
いまと進学率も違う時代。大学に行く人が少なかった時代には、大学に行ったのと、行かないのとでは、たしかに差はあったと思います。でも、いまや、ほぼ大学全入。昔とは条件が違います。
 
気を付けないと、自分がデマの拡散者になります。
そうならないためには、
(1)新しい情報を得る努力
(2)自分で情報発信するなら、元ネタの情報は自分で確認や検証する
が、とても大事です。
これは、誰もが情報発信できる現在には、とても重要なことです。だから、学校で教えてもいいと思います。
 
でも、「情報の重要さ」を教えるべき人達が、すでに、「検証していない情報の拡散者」になってたりしますから・・・。
 
お子さんをお持ちの方は、ぜひ、子ども達に、「情報」の重要さを教えてあげてほしいです。
同時に、自分が「デマの拡散者」になっていないか、気を付けたらいいと思います。
 

問題を解決するには

僕は、仕事柄、いろんな経営者や先生とお話しをします。
 
話をしてると、おおよそ3種類の人に分類される感じがします。
 
(1)現状に何の問題も感じない人
(2)「このままじゃまずいんじゃない?」と考え、準備する人
(3)現状に問題を感じるけど、自分は何もしない人
 
(1)の人は、幸せなんだろうなと思います。
これから先に、何の心配もない人です。
 
(2)の人は、ある意味、ネガティブシンキングや、強迫観念の持ち主かもしれません。
でも、広島カープスの黒田投手も、毎回毎回不安だったそうです。
不安だから練習してそなえたそうです。
こうなるために大事なことは、自分で出来ることをやることです。
 
(3)の人は、最も多いと思います。
この状態になる人は、何もしないというか、何をしていいのかわからない、何が出来るのかわからない、という状態かも。
 
やっかいなのは、(3)の人達は、問題を認識しているのに、問題を解決する努力をしないから、問題が大きくなるということです。
そして、そんな不安を乗り越えるために、
<なにかのせい型>
・問題をなにかのせいにして、問題源を批判することで行動した気になる。
・問題を解決すべきは「あいつ」だ。あいつがやらないのが悪い!
 
<どうせ変わらないよ型>
・どうせ自分一人がやったって変わらない。だからやらない。
(状態が悪いのは自分のせいじゃない)
 
<どうせ自分が悪いんだ型>
・自分を責めて、自分を追い込む。
(自分はついていない。運が悪い。前にもこんなことが・・・)
 
になるような感じがします。
 
 
こういう人達の多くは、「問題」にとらわれすぎてる事が多いです。
 
僕は、問題を感じたら、その問題が生じた原因を考えます。
そのために効果的なのは、「自分は、なぜその問題を問題だと思うのか?」を考えて、紙に書いてみることです。
できるだけ具体的に、このままだとどんな悪影響が出るかを考えて書き出すといいです。
いいだけ出尽くした感じがしたら、次は、その問題の原因を考えます。
 
たとえば、「お金が無い」という問題。
「お金が無い」だけにとらわれると「お金が欲しい」になります。
でも、そうそう簡単にお金はもらえません。
だから、いつまでも「お金が欲しい」状態です。
 
ケース1
「お金が無い」という状態は、収入と支出のバランスが崩れてることが多いです。
その場合は、収入を増やす努力と同じほどに、支出を減らす努力も効果的になります。
 
ケース2
「お金が欲しい」のは、ほしい物に金額が書いてあるからです。その金額を鵜呑みにして、「払うしかない」と思うとお金が欲しいです。
でも、その「ほしい物」をよくよく考えたらいいです。
それは、他の方法で手に入らないか?
他の方法で間に合わないか?
自分では出来ないか?
いろいろ考えられます。
僕は、たいていの場合、自分で出来るように学ぼうと思います。
なぜなら、学ぶための投資は、自分の身体に蓄積されるからです。
 
宇宙戦艦ヤマトのなかで、沖田艦長はなんどか「うろたえるな!」と怒鳴っています。
僕は、自分に対してこの言葉を使います。
あせると、視野が狭くなります。だからこそ、「うろたえるな!」です。
 
一歩下がって、深呼吸して、問題を見つめ、
「どうすればいいかを考える。」
 
何かを責めたり。自分を責めたり、なにかのせいにしたりしないで、まずは、問題がなぜ問題なのかと、その原因を考えるのが効果的です。