植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

「好き」は「勉強の邪魔」じゃないよ

僕は、飛行機が大好きです。
だから、小さい頃から、飛行機に関わりたいと思っていました。
(ここで、飛行機に関わる仕事に就きたい、とは思っていなかった点が重要です。というか、働くとか、仕事とかという概念がなかったみたいです。というか、ゼロから1を生み出した系の伝記の人達は、みんな、職業としてではなく、それをやっていたからかも。)

飛行機に興味を持ったから、飛行機の本を読みます。
そうすると、時代的に、零戦ブームです。
いろんな漫画もありました。

親戚のおじさんが、住友金属零戦のプロペラ開発していた、という話しに夢中になり、戦争末期には、整備の仕事も手伝って、B29の迎撃にあがって帰ってこなかったパイロットの話しなども涙ながらに聞かせてくれて、ますます興味を持ちます。

中学校の友人の家で、「丸」という本を見つけます。
そこには、飛行機開発に関わった人の話しが書いてありました。
ということで、その関連の本を読みまくります。
堀越二郎さんに憧れます。
さらにしらべます。

その頃には、飛行機に関わる、から、飛行機を設計したい、に変わっていました。

飛行機設計のためには、流体力学と航空工学が必要です。
そのために進学を考えますが、
その手の本は、いくらでも本屋にも売っています。
ということで、先行勉強がはじまります。
でも、そんなことやってないで、受験勉強しろと
怒られます。
この頃、内藤子生先生の本から多くを学びます。

そして、ウルトラライトプレーンの存在を知ります。
なんと、自分でつくっていい飛行機です。
キットも売っています。
奇跡的にタイミングよく、スカイスポーツという雑誌が販売になり、そこに、ウルトラライトのカタログがついていました。
もう、夢中になります。
だって、自分でつくれそうな感じがあふれてるんです。

ということで、そこからは、飛行機設計に明け暮れます。
高校のノートは、飛行機の寸法や、内部構造図が
一杯になります。
そして、奇跡的に、パズマニー氏の飛行機設計法という本にも出会います。これからも多くを学びます。
飛行機が墜落した時に、重量物であるエンジンが人を殺さないような装備の仕方などを一生懸命に考えます。そして、それらの勝手な自習のおかげで、僕の脳みそは磨かれ、
受験対策の能力は低かったけど、大学に合格できて、
そして、大学で流体力学では誰にもまけないぞとがんばれて、
そして、航空機設計の仕事に就けて、
そして、いま、ロケット開発できています。

この人生の中で、一度も、「飛行機に関わる仕事」を意識していません。「飛行機を設計したいから設計する」を突き進んできました。そうしたら、いろんな道が開けていったきがします。

きっと僕は、大学の教授にも、さんざん飛行機好き、という話しをしたのでしょう。
そして、それを裏付けるような行動をしたのでしょう。
だから、教授は、気にかけてくれて、きっとがんばって道をつけてくれたのだと思います。

夢をかなえるためには、夢をしゃべった方がいいです。
そして、夢を追った方がいいです。それが実績です。それらが誰かを動かします。そして、道が開けます。

進学したら夢が叶う。ではありません。
就職したら夢が叶う。ではありません。
進学も、就職も、夢を叶えるための手段のほんの一つにすぎません
そして、手段はなんぼでもあります。

好きなことは、がんばれます。
好きなことは、覚えちゃいます。
それが、成績や学歴が関係ない社会に出てからの本当の実力です。

だから、好きなことを見つけることが大事です。
興味を持つことが大事です。子どもの「好き」を「勉強の邪魔になるマイナスなもの」と思わないでください。好きこそが、人を伸ばします。子どもが好きなことは、大人パワーで飽和攻撃です。溢れるだけ情報を与えたら、きっと、その子は、光り輝くと思います。