植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

進路相談は投資効果の検討会であるべき

教育にはお金がかかります。
いまは、高校までは比較的安価に行けますが、
その先は、とてもお金がかかります。

でも、対策もしっかりされていて、
高校生の保護者向けの進路説明会は、
お金の借り方の説明会になってたりします。

いろんな奨学金もありますが、
中には、先に利息分から返済する方法のため、
元本がなかなか減らない、という、
「教育支援」としては、首を傾げたくなるような
仕組みもあります。

そのような仕組みのおかげで、
大学を卒業した子達は、
少ない初任給の中から、
かなりの金額の奨学金などを
返済し続けることになります。
(就職できなかった場合は、保護者はかなり悲劇です。)

学校や生徒の間では、進学は「普通」なので、
家にお金があろうがなかろうがおかまいなしです。
家にお金がないという理由で進学できない場合は、
それを「自分は不幸だ」とまで思ってしまう子もいるようです。
親も、子どもに寂しい思いをさせないために、
借金をし、親戚に頭を下げ、お金を工面しようとし、
それでもダメな場合は、自分を責めてしまうこともあります。
お金のせいで、親子だけではなく、親戚との間にも、深い溝ができてしまうケースもすくなくないです。

もちろん、家の仕事を手伝っていたり、普段から、お金の価値や、家計について話し合っている家庭の場合は、むしろ、子どもの方から、親に負担をかけたくない、と、進学を断念してしまうケースもあります。
他にも、
全部自分で稼ぎだして学校に通う人もいますし、
また、社会人になってから、あらためて学校に行く人もいます。
いろんな道があります。

ただ、考えるべきは、学ぶためにかかるお金は、
本当に価値があるのか?です。
そして、その価値を、高めるもおとしめるも、
自分という要素が大きく働きます。

なんとなく、みんなが進学するから。
進学しないと相手にされないから。
程度の、根拠の無い理由で、
新入社員の初任給で考えたら、
年収3年分〜4年分を投資できるでしょうか?

マイホームやマイカーもそうですが、
容易に借金できる仕組みは、
うっかり間違えて利用すると、
価値を得られずに負債だけを背負うことがあります。
教育も、借金しやすいからこそ要注意です。

僕自身は、高等教育を受けた人間は、そうではない人間よりも、より高度な仕事をし、より多く納税するはずだと思っています。
その、より多く納税するはずの人間の教育は、
本当は国が力を注ぐべきだと思います。
そのために、国立大学は学費が安価だったのだと思いますが、
いまでは、なぜかどんどん値上がりし、今では私立大学との差はわずかです。

しなくてもいい進学を、
べらぼうな借金背負ってしてる人が少なくないです。
その悲劇を防ぐためにも、
進路相談とは、成績の範囲から行ける進学先を探すものではなく、

進学という投資の効果について話し合うものであるべきだと思います。