植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

他人のふんどしで相撲を取るやつに負けるな

僕は小学生の頃に疑問を感じます。

僕は、ランボルギーニカウンタックが好きでした。
なぜなら、まず、ドアの開き方がかっこいい。
そして、なによりも、芦別スーパーカー展示会があり、
そこに来ていたからです。
スーパーカーライトを、出してくれた気がします。
(リトラクタブルライトのことです)
エンジン音は・・・覚えてないなあ・・・。

で、そういう話しをしていると、
同級生の一人が、
「いやいや、ランボルギーニなんてだめだよ。フェラーリの方がもっとすごい」と言います。
彼は、スーパーカーのスペックに詳しくて、
カウンタックは数字的に負けていたようです。

なんぼ「好き」を説明しても、
否定されるのが、とてもつらかったです。

そのとき感じたのは、
「だって、おまえフェラーリもってないじゃん。」
「だって、おまえフェラーリつくってないじゃん。」
「なんで他人の努力で、僕のことを否定するの?」
でした。

それが悔しくて、どっちが性能がいいのか、
真剣に考えるようになりました。
それは、後々まで尾を引いて
ついには、高校生の頃には、
自動車の運動方程式まで考えだします。
その時に、車が加速する物理現象を研究して、
車の回転部品の慣性モーメントの大きさの影響に
驚きました。
そしてその方法が間違っていなかったことを知るのは、
大学にはいって授業でやってからです。
(このとき、自動車の空気抵抗を算出する努力もします。
空気の方向を変えることが抵抗に寄与するだろうと、
車の表面の傾きの連続性から空気抵抗を導く計算をつくりましたが、なぜか答えはいつもゼロ。それもそのはず、完全流体で計算していたからでした。)

自分がやってもいない他人の努力や経験で、
相手を否定するひとは少なくないです。

例えば、新しい物をつくろうとすると、
「そんなのは昔どこどこのメーカーがやって失敗している。あのメーカーでさえダメだったんだから、そんなのお前には無理だ。」とか、
北朝鮮のロケットはもう宇宙へ行ったぞ。お前達のはまだ宇宙に行かないのか。北朝鮮以下だな。」とか。
こういうのは、某掲示板におおいですね。

「だって、おまえやってないじゃん!やってみろよ!」と
言いたくなるのをぐっとこらえるのが漢か。
(いま、「おとこ」と入力して,漢が変換候補にでてきたことに驚きと喜びを禁じ得ません。)


やってもいない、経験してもいない人の否定的な言葉は、
聞く必要はありません。なぜなら、なんの影響もないからです。

相手は、自分にやめさせようとしているのです。
だから、そんな言葉に負けてやめてしまったら、
まさに、相手の思うつぼ。
言葉で嫌な思いをした上に、さらに、行動まで相手の思うとおりになるなんて、悲しすぎます。

だから、心を強く持って、
やったことがある人となかよくなりましょう。
そういう出会いのチャンスをつくりましょう。
そしてそれは、なるべくはやい方がいいです。