植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

自分の仕事は子どもにはさせたくない。なんて悲しいこと言わないで。

自営業の人は、ともすると、自分の子どもが仕事を継ぎたい、と言ってくれた時に、「いやいや。こんな仕事はしない方がいい。」と言ってしまうことがあります。

特に、人口減少地域がテリトリーの場合、
その仕事は、間違いなく衰退産業です。
だから、苦労させたくないから、継がせたくない、
という愛はよく理解できます。

しかし、子どもの失望感を考えてみてほしいです。
自分を育ててくれた親が、ものすごく苦労していたんだ、
ということを知ります。それはいいことです。
しかし、その苦労は、やめたいほどの苦労なんだ、とということも知ります。
ってことは、自分の存在が、親を苦しめていて、
自分がいなければ、親はそんな嫌な仕事から救われるのか?
と感じてしまうかもしれません。
それは、とても悲しいことです。

愛ゆえに発した言葉が、
実は、子どもを突き放す言葉になっているかもしれません。

どんな仕事も、楽な仕事は無いです。苦労します。
だったら、苦労の乗り越え方を知っている自分の仕事を
教えるほうが、子どもが苦労にいきなり直面しないですむかも・・・

そして、自分の仕事なんて、どーせだめだ・・・
ではなく、どうやったら良くなるかを考えるべきでは?

自分一人でできる夢は、自分がやめたくなったらやめられます。
また、自分の代で終わっていい夢は、自分が死んだら終わりです。

でも、自分一人でできない夢を持ったら、
仲間の必要性を知ることができます。
自分の代で終わらない夢を持ったら、
次世代の大切さと、教育の大切さを知ることができます。

持続可能な社会、なんて言葉がありますが、
僕はそのためには、社会を構成する人達が、
自分一人でできない、自分の代では達成できない夢を
持つべきではないかと思います。
例えば、世界平和。

世界平和?
そんなん無理だわ。
1人でやったって、どーせ何にも変わらないよ。
ですか?

じゃあ、せめて、日本の平和。
そんなん無理だわ。
1人でやったって、どーせ何にも変わらないよ。
ですか?

じゃあ、せめて、自分の家族の平和。
そんなん無理だわ。
1人でやったって、どーせ何にも変わらないよ。
ですか?

それって、何もしていないだけでは?

どうやったらよくなるのか?
だったらこうしてみたら?
という思考があれば、
自営業の人は、自分の子どもに自分の仕事を
伝えたくなるかもしれません。

なにせ、起業数より廃業数の方が多いのです。
一億総雇われ。という状態はあり得ません。
誰かが、会社を興し、人を雇用する必要があります。
そのためにも、廃業を選ばずに、
事業承継も考えてほしいなあ、と思います。