植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

大人は必ずもとは甘々の若造です。

僕はいま、会社を経営しています。
生まれてはじめて、34歳で株式会社の経営者になりました。
もちろん、経済学を学んでいません。
工学系の学問しかしていません。
でも、株式会社をつくらないと取引してもらえないという条件だったので、やむを得ず、いきなり経営者です。

ぶっつけ本番。
まあ、失敗のオンパレードです。
世の中、思うようにはなりません。
ときには、ひどい人もいました。
何度も、死んだら楽になるかな、と思いましたが、
ひどい人のせいで死んだら悔しいな、と思いました。

ということで、散々な経験をしたから、
いまでは、老獪に、いろんなことに備えておけるようになりました。

でも、この能力は、最初から身に付いていたものではありません。
ひどい目にあって、身についたものです。
最初は、単なる若造です。

多くの大人が、現在自分が持っている能力を、
若い頃から持っていたかのように錯覚しています。
そういう人はきまって「最近の若いものは」といいます。
なに言ってんの?と思います。
自分だって若い頃は、甘々のあまちゃんだったのです。
それを棚に上げてはいけません。

今は、自分たちが若い頃よりも世界のスピードは速いです。
だから、今の若者は、僕たちよりも大変です。
だからこそ、僕たちは、若者を見て、
「思慮が浅い」とか「甘い」とか言ってる場合ではなく、
どう考えればいいのか?
どう備えればいいのか?
を、可能な限り速やかに伝える必要があります。

教育とは、死に至らない失敗を安全に提供するもの。
です。
若者の状態を見て、それを評論し、批判するものではありません。
わかりきっている若者の状態を、わざわざ言葉で言い直して説明する必要もありません。

お前は考えが甘い!
と思うひまがあれば、
その状態を「甘い」と説明する必要はありません。
どう考えればいいのかを教えるべきです。