植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

社会が求めるもの。

植松電機には、いろんな学校がやってきます。
子ども達は、助け合ってロケットを作り、デザインし、
それを自分たちで打ち上げます。
打ち上げ前は、みんな、すごく緊張しますが、
飛んで行ったら、ほっとして喜んでくれます。
「しっぱいしたらどうしよう」という不安の向こうの喜びを
知ってもらえたらいいなあ、と思っています。

来てくれる学校は、札幌の中学校が多いのですが、
札幌の中学校には、3K2Fとかいう、難易度の高い高校に生徒を沢山送る学校があるそうです。まあ、レベルの高い中学校ってことですかね。
札幌では、その学校に子どもを通わせるために、引っ越しをする家庭もあるそうですし、不動産の価格にも影響があるそうです。

でもね、僕の目から見ると、
そういう学校の方が、ロケットの失敗率が高いです。
また、ロケットを作る時の助け合いも少ないです。
中には、ロケットに全くデザインできない学校もあります。
なんでも、何か書くと、何か言われるのだそうです。
彼らは、なかなか目を合わせてくれないし、
挨拶も微妙です。
ばれないようにふざけたり、からかったりしています。

逆に、成績があまりよくない学校の子達は、
助け合うし、デザインも奇麗です。
沢山話しかけてくれるし、朗らかです。

僕が、どっちの子と一緒に仕事したいか?と問われたら、
間違いなく、後者です。

企業は、偏差値も、学歴も、気にしません。
公務員の試験でも、学歴欄は塗りつぶされます。

僕は、いろんな学校のスーパーサイエンスハイスクールの委員もやっています。
委員のほとんどは、大学の教授です。
みんなが、スーパーサイエンスの授業内容をほめます。
実際、研究を軸とした、素晴らしい思考型の授業が多いです。
しかし、それは、受験の成績とは反比例のようです。

企業も、大学も、受験のための能力を歓迎しません。
しかし、子ども達は、沢山の時間とお金をかけて、受験対策をします。
これは、なんだかすごく変なことです。

これで儲かるのはだれだ?
教えることで金儲けする人だな。

子ども達が子どもでいる時間は短いです。
そのスポンジのような吸収の時期に、
過去問題丸暗記しかやらないと、
思考力や、問題解決能力や、対人能力に、
すごく悪影響がでる可能性があります。

もう少し、真剣に考えるべき問題だと思います。