植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

戦争とモラル。

アドミラル・グラフ・シュペー
ドイツの小型戦艦です。
第二次世界大戦中に、通商破壊作戦で活躍します。
軍艦相手に戦うのではなく、相手の補給路を破壊する作戦です。

さかのぼれば、第一次世界大戦時に、同じくシュペーという軍艦が、通商破壊作戦で大活躍しています。

相手の補給路を破壊するわけですから、
非武装の商船を狙って沈めてしまいます。
それは、虐殺だ!となるかもしれませんが、
ドイツ海軍のシュペー号はちょっと違っていて、
相手を降伏させ、相手の積み荷が自軍に価値あるものだと
つれ歩きながら自軍陣地まで運びます。
価値が無いものだと、船員を自分の船や、
鹵獲した船に移送させてから沈めてしまいます。
鹵獲した船の船員との間にも友情も芽生えたり、
なんとものんびりした戦いです。
でも、そんなシュペー号の被害に業を煮やすイギリスは、
非武装の商船に武装をして、シュペー号を待ち伏せしたり・・
そんな様子が多くの人の興味をそそり、
小説化されたり、映画化されたりしています。

第二次世界大戦末期に、日本の輸送船は、アメリカ軍に
ことごとく沈められ、
さらには、青函連絡船もほぼ全滅させられています。
もちろん、飛行機による攻撃ですから、
最初に降伏勧告も無いし、遭難者救助もありません。
それからみたら、シュペー号の行動が、関心を持たれるのも
うなずけます。

レマルクの、西部戦線異常なし、の中で、
「飛行機の翼に国籍マークを書いたやつはだれだ」
というような表現もありましたが、
海も空もそして地上も、本当は、人間は助け合わないと生きていけない世界です。
日本の駆逐艦「雷」も、そんな海のきまりに乗っ取って、
敵対国の遭難者を救助しています。
戦争の最中でも、人道的なきまりが守られるべきです。
しかし、たいていの戦争では、その人道的なきまりが破られてしまうことに問題があるのかもしれません。
でも、そう考えてみたら、非戦争状態でも、
人道的きまりを守らない人達は沢山いますね。
「食って行くためにはしょうがない」という自己中心的言い訳で、
嘘をついたら、弱いふりをしてだましたり、
盗んだり、暴力を振るったりできる人達は、
戦争時には、そうとうな非人道的行為ができてしまうかもしれません。

戦争は、してはなりません。
なぜならば、人を殺してはいけないからです。
でも、その前に、
人道的なきまりを守る、ということが徹底されれば、
戦争は起きないかもしれません。

「それをやっちゃあおしめえよ。」
という、人道的にしてはならないことのハードルを高く保つことが、戦争を防ぐために大事かもしれません。

このシュペー号のペーパークラフトは、まずはプロトタイプです。
だから、船体がありません。
上部構造物を組み立ててみて、のりしろの位置などを
確認しながら作ります。
それを設計に反映して、改良していきます。
ペーパークラフトは、設計完了までに、だいたい3つから4つは
つくることになりますが、その過程も楽しいです。
その過程が楽しいから、90%完成したところでやめちゃうから、
いつまでたっても、商品化できないね。
(あとは、何度も作っていると、慣れてきて、凝りすぎて普通の人には困難なレベルになってしまうのも問題です。)
商品化は、とても難しい作業です。

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