植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

生活習慣学び

先日のコズミックカレッジでは、
カムイロケットの打ち上げのあと、
エッグドロップに挑戦しました。

今回の条件は、
225gのA3のケント紙一枚で、卵を、約4mの高さから落としても割れない緩衝装置をつくる。でした。

子ども達対象のコズミックカレッジですが、
今回は、付き添いの大人も夢中になりました。

もう、見事に様々な形のものがでてきます。

でも、大別すると、
空気抵抗で落下速度自体を低下させる方法と、
クラッシャブルゾーンで衝撃を吸収する方法と、
それを融合させたものになっていきました。

お父さんの中には、ハンググライダーのような形をつくり、
滑空させようとした人もいました。

生卵だと、割れたらもったいないので、
今回は、ゆで卵を100個ほど用意しました。
割れないようにゆでるのに苦労したそうです。
失敗して割れてしまった場合は、食べられる、という
メリットがあります。
みんなで、ゆで卵を食べ食べ、工作です。

うれしいお話を聴きました。
ある、ご家族のお話です。
その日、小さい子も来ていました。
彼はその日、お姉ちゃんやお兄ちゃんが作るのをじっと見ていて、
ほかの人のもじっと見ていて、でも、自分は作らなかったそうです。
でも、家に帰ってから、つくりたいといいだして、
結局、一発で成功させたそうです。

今僕は、いくつかの学校で、スーパーサイエンスハイスクールの委員もしています。
SSHの生徒アンケートで悲しいのは、
「家で科学に関する番組を見たり、本を読んだりするか?」という問いに対して、していると答える子は、15%程度です。
学校で与えられた課題はやるけど、自発的には科学を学ぼうとしていない、のかもしれません。

僕は、小さい時から、ものの仕組みの本が好きでした。
伝記も好きで、特に、科学や発明の本が好きでした。
もちろん、今も好きだから、毎月買っている本はかなりです。
それは、きっと、ほかの人との差を生み出すのだろうと思います。
生活習慣病というものがありますが、
生活習慣学び、というものもあると思います。
それは、贅肉が知らない間にどんどんつくように、
能力も、知らない間に、どんどんつけてくれるのだと思います。

僕はもともとは、固定翼機が好きでした。
でも、前の会社でヘリコプターの開発に関わったので、
それ以来、ヘリコプターの本も沢山読んでいます。
高速を出すボートの船体の開発にも少しだけ関わったら、
船の船体に関する設計の本もずいぶん沢山読みました。
もちろん、磁石を作るようになった時には、電気磁気学の本も
読みあさりましたし、
衛星を開発する時も、片っ端から衛星設計の本を読みました。
子ども達と関わるようになってからは、教育や、心理の本も、
今まで以上に沢山読むようになりました。
何かあるたびに、僕が読みたいと思う本が増えていきます。

僕は、大学にいったときに、たいていの先生は、
教科書を読み聞かせしてくれているだけだということに気がつきました。
中には、教科書を板書しているだけの先生もいました。
だとしたら、自分で読んだ方が、何倍も速く学べるのです。

僕は、沢山本を読みます。毎日読みます。
それを続けている限り、すこし先を走っていられるのかな、と思います。
生活習慣学び、です。
いつでも、いくらでも、安価に学ぶことができます。