植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

夏休みの体験学習はちょっと違う。

学校が夏休みに入ると、
見学の子達も、学校単位とは違ったおもしろさになります。

昨日は、某有名飲料メーカーのお父さん達が主催する子ども冒険ツアーと、釧路の宇宙少年団がやってきました。

某有名飲料メーカーの方達は、以前、企業向けの講演で読んでいただいたことがあり、そのとき話しを聞いてくださったお父さん達が、今回の機会を作ってくださいました。
とても朗らかな子達で、挨拶の声も大きいし、
ロケット打ち上げの時の安全確認の声も、カウントダウンも、いい声です。
いろんな学校の子達があつまっているはずなのに、いい雰囲気なのは、きっと、引率のお父さん達ががんばってるからなんだろうな、と思いました。
その子達を見送ったら、次は、釧路の宇宙少年団です。
はるばる釧路から、ほんとうにありがたいことです。

釧路の宇宙少年団の子は、以前、宇宙兄弟の映画が公開されるとき、それと連携したロケット製作体験イベントで出会っていました。
そのとき、残念なことに、使用したモデルロケットのエンジンが不調で、せっかく作ったロケットが、ちゃんと飛べないのが続出しました。がんばってくれた子達に、本当に申し訳なくて、
悲しかったので、その子達のことをすごく覚えていました。
そうしたら、その子達が来てくれました。
2年たって、すっかり背も伸びてました。
彼らも、覚えていてくれました。
やっと来られた、と喜んでくれる姿に、涙が出そうです。

宇宙少年団だけあって、筋金入りの科学好きです。
工作も手早いし、いろんなことに興味を示します。
小学校高学年の女の子もいるのが嬉しいです。
いま、某理系女子に関するおかしな報道のおかげで、
理系女子という言葉が、あんまりいい意味を持っていない感じですが、僕は、女子が研究開発の仕事に就くのはいいことだと思います。というか、ついてほしいです、というか、最近の男子どうしたのよ、と思います。
もちろん、釧路の宇宙少年団の男子はたいしたもんです。
がんばるし、興味も強いです。
無事にロケットの打ち上げも終わりました。

一夜明けて、今日は、釧路の宇宙少年団の子達が、残りのプログラムのために、再度来てくれました。そして、今日は、宮城県から、某有名塾の子達も来てくれました。
最近、塾でも、受験対策のつめこみ勉強だけではだめだ!と、
なぜ学ぶのかを学ぶための勉強に力を入れているところが増えています。うれしいことです。
さすがに、筋金入りの宇宙少年団と比べると、
作業はゆっくりで、失敗を恐れている感じがします。
でも、ちょっと時間はかかったけど、奇麗なロケットが完成しました。
意外だったのは、小雨の中のロケット打ち上げでしたが、
おとなしそうな、まじめそうな子達が、
ロケットが飛んだら、本当に嬉しそうに感情を表現してくれたことです。
全速力で走ってロケットを回収に行く子達の姿に、
この塾の良さが伝わってきた気がしました。

釧路の宇宙少年団の子達は、去っていくとき、名残惜しそうでした。僕も名残惜しいです。
もっと沢山、時間を一緒にすごせたらなあ・・・と思います。
興味があってきてくれる子達は、反応がよいから、嬉しいです。

でも、いつも自分に言い聞かせます。
この心地よさにおぼれちゃだめだ。
来れない子達と関わる努力をし続けよう。

講演も同じです。
好きできいてくれる人達と過ごす時間は最高です。
一緒にお酒なんか飲んだら、そりゃもう楽しいです。
でも、その心地よさに溺れてはいけません。
完全なアウェーの学校で、
講演しはじめたら、足を踏み鳴らされて、指笛吹かれて、
でも、そんな子達にこそ、
「どーせ無理にまけないで」と伝えたいです。

でも実は、好きで来てくれる子達もつらいんです。
宇宙やロケットや科学に興味があっても、
それをわかってくれる先生がいない。
友達がいない。
だから、学校ではひとりぼっち・・・
という子も少なくないです。
そういう子達にとって、安らげる場所にもなりたいな、とも思います。

今年の植松電機の体験学習も、全体の65%ほどが終わりました。
おおよそ、6500人が体験学習をしてくれたことになります。
もうふた踏ん張りかな。