植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

永田先生、というか、趣味の大切さ。

僕がロケットを作れるチャンスをくれた、
神様があわせてくれた人。北海道大学の永田先生。

永田先生が赤平に来てくれて、
一緒にご飯を食べたとき、
盛り上がったのは、「ガレージ番長」という番組の話しでした。
車を愛する自慢しほうだいの番組です。
ぜんぜん、ロケットと関係ない話しで盛りあがりました。
でも、それって大事だと思います。

人と仲良くなる時、
趣味があると簡単です。
共通話題は、人とのつながりを感じるために大事です。
ですから、趣味は多いほどいいです。

そして、趣味が多いと、個性になります。
趣味はたいてい、詳しい知識に結びつきます。
それは、特技とか、取り柄と言えます。
それが、一つだと、だれかと簡単に比べられます。
しかし、二つだと、同じ人が存在する可能性が減ります。
自転車のシリンダー錠がたいてい4桁であるように、
4つくらい趣味があると、まったく同じく見合わせの人は、
かなり減るはずです。
それはもう、立派な個性です。

さかなくん、という有名な人がいます。
ちょっと変わった人です。
でも、彼は、魚に関してはすごい知識と経験です。
そればかりか、絵も上手です。サックスの演奏も上手です。
おそらく、同じく見合わせの人はいないと思います。

趣味が無いと、人と仲良くなるのが困難です。
そして、個性にも乏しくなり、容易に人と比べられ、
選ばれるためには「安価」しかなくなるかもしれません。
それは、かなり寂しいことです。

僕の仲良しに、ロケットプレーン社のチャック・ラワーさんもいます。
彼曰く、趣味は自分でやることだ。お金を出してしてもらうのは、趣味ではなく、サービスだ。だそうです。

自分でやる趣味は、やると能力や経験になります。
してもらう趣味は、お金と時間を失うだけです。
自分でやる趣味は、いざという時、逃げ込んだとしても、
能力と経験が増えます。
してもらう趣味は、逃げ込むと、お金と時間を失います。
だから、「自分でやる趣味」って、大事です。

そして、自分の大好きなことに、「よむ」「かく」「つくる」「しらべる」をくっつけると、それは立派な研究開発です。
僕は、ロケット開発は、他人におしえてもらっていません。
自分で学び、自分で考え、自分で試してきました。
その過程で知り合った方々との経験は、学びになりましたが、
おしえてもらったわけではありません。
趣味は、立派な学問かもしれません。

永田先生は、とても広く深いです。
いろんなことを、とてもよく知っています。
バカな話しもちゃんと通じます。おもしろいです。
一度しかない人生で、永田先生に出会えてよかったです。
たまたま同じ時間の上を生きていて、本当に良かった。

そんな永田先生曰く、
「もしもカメラに生まれたら、植松電機には買われたくない。」
「もしもコンテナに生まれたら、植松電機には買われたくない。」
だそうです。
あのなー。植松電機、どんな会社やねん!
でも、こういう表現も大好きです。
植松電機。おそらく、世界で最も沢山ロケットエンジンの試験をし、もっとも沢山ロケットエンジン爆発させている会社です。
(憶測です。)
そのうち、「カメラ塚」が必要かも。
でも、そうなれたのは、永田先生と会えたからです。
神様に感謝です。

(ちなみに、植松電機で数多くの爆発を生き延びてきたゴープロ(小型カメラ)は、「さん」付けでよばれています。多くの人は、「ゴープロ3」だと思っているから、「ゴープロ2」とか「ゴープロ1」があると考えるようですが、ないです。「ゴープロさん」は、そのうち、「ゴープロ様」になるでしょう。どこまで出世するか楽しみです。)