植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

駐車場はワンダーゾーン!

ブルーサンダーという映画がありました。
おそらくは、AH-64というヘリコプターの開発中に
漏洩した情報で作られたのではないかと思われる
警察用戦闘ヘリのお話です。
主役のロイ・シャイダーが好きだったし、
飛ぶものだし、映画館に見に行きました。

もちろん、映画は素敵でした。F16も出るしね。
この映画の後、エアーウルフというテレビドラマもできましたから、
この映画の影響は大きかったのかも。

でも、この映画を見ていて、疑問を感じたところがありました。

大型ショッピングセンターの駐車場で、
大事な秘密を託された女性が、警察に追われます。
その駐車場は、それはもう、ぼっこんぼっこんに
なみなみなのです。平らじゃない。
だから、走る車がすごく苦労しています。
それが、高校生の僕には、とても不思議に思えたものです。

しかし、現在。
近所に、ホームセンターやスーパーや薬屋や衣料品や、そして、中古品屋が合体した、ショッピングセンターがあります。
そこには、この界隈では、もっともひろい駐車場があります。
そこはもう、自動車ワンダーランドです。
駐車場内には、駐車スペースと、通路スペースがあります。
しかし、ほとんどの人は、その駐車スペースを斜めに横断します。
それも、道路のような速度で。
通路を走っている方は、全方位警戒しなければいけません。

昨日目撃したのは、
左側にある駐車スペースに車をバックで止めるために、
駐車スペースをすこし行き過ぎてから、車が頭を右に向けました。
そして、バックライトが点灯したところで、
その後ろの車が、その車の後ろを通って、前に行こうとしました。
当然、バックしようとしていた車は、かなり驚いたようです。
急ブレーキです。
すると、その後ろを通過しようとした車の運転手は、
そのブレーキをかけた車を睨みつけています。
年の頃は、30代くらいの男性。
で、しょうがく、バックしようとしていた車があきらめて、
前にでて、その車は急発進して駐車場から出て行きましたが、
出て行った先は、中央分離帯のある太い道路で、
しかも、出口と切れ目が一致していません。
そこに、平然と右折していきます。逆走です。
当然、車が来ていますから、その車は止まり、
そこで、Uターンをはじめました。
信じられない運転センスです。若者なのに。

また、あるときは、ホームセンターからでて、
駐車場の横断歩道をわたろうと、車が切れるのをまっていました。
すると、親切な車が、横断歩道の手前で止まってくれました。
会釈をしながら、わたろうとしたら、
その車の左側から、猛スピードで車が追い越しました。
止まってくれた車と、お店との間の歩道のスペースを利用して
追い越しです。運転手は、やはり、30代くらいの男性でした。
あやうくひかれるところでした。
とまって譲ってくれた車のドライバーも目を丸くしていました。

おそらく、無茶な運転をする人は、無茶なことをしているとは
思っていないと思います。
原因は、予測能力と、情報収集能力の著しい欠如だと思います。

以前、東北をトラックで営業していた時、
運転してくれたのは、一緒に旅をした別な会社の人でした。
とても気さくな方で、運転中もいろんなことをおしえてくれます。
ちゃんと、助手席側をみてしゃべるのがちょっと怖い。
やがて、僕はかなり前方に、おばあちゃんが道路を横断しているのを見つけます。おばあちゃんはかなりゆっくりです。
晴天。見通しはとても良いです。
僕は、運転してる人も見つけているだろうと思っています。
しかし、減速の気配もなく、普通に運転しています。前も見ています。
で、こりゃまずいよ、と思って、「前におばあちゃんが・・・」と言ったとき、その人もおばあちゃんを見つけたようです。
でも、その段階では、おそらく100mくらいあります。
しかし、ものすごい急ブレーキ。
トラックは完全に止まりました。僕がびっくりです。
でも、その人は、もっとびっくりしています。
そのあと、僕が運転したのは言うまでもないです。

運転の適性が良くない人が、かなり沢山運転しているように思えます。
これは、現在の免許制度の問題かもしれません。
たしかに、車が無いと生活できないのも確かです。
地方では、新入社員は、自動車が無いと通勤できないからと、
社会に出たら車を買います。
そして、初任給が少ないのに、若いからこそ高価な自動車保険を払いつつ、給料の20%ほども自動車関係につぎ込むはめになることがあります。
お年寄りも、自動車が無いと生きていけない、と自動車に乗ります。

でも、自動車が無いと生きていけないって、
それって、社会としてどうなんでしょ。
昔は、自動車無かったよ。

日本は、自動車産業に依存し過ぎではないでしょうか。
自動車を増やすことはあっても、減らす努力が感じられません。
一部の県で、高齢者が自動車に乗らなくていいように、公共乗り物を改善しているところもありますが、本当にごく一部でしかありません。

最近、若者の自動車離れが進んでいる、といいますが、
僕はそれは、正しいことかもしれないと思っています。
若者は、新しい時代を作ろうとしているのかもしれません。

これから、日本は人口が減ります。
若者が運転しなくなるかもしれません。
というか、運転が自動化されたら、マイカーを持つ必要も無いです。
そのとき、自動車産業はどうなるのでしょう。
おそらく、いまとは全く違うありかたになるでしょう。
それを予測し準備しているでしょうか?

もしかしたら、今の社会は、
乱暴な運転手と同じように、
予測能力と、情報収集能力に、欠けているのかもしれません。
だとしたら、いつか、事故が起きるかも。

車が売れなくなったら、もっと売れるように売りつければいい、
という、維持の努力ではなく、
変化の努力も必要だと思います。