植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

飛びます!飛びます!

カムイロケット1500kgf型。

次に打ち上げ予定の機体です。
ちなみにこれは、実物の4分の1の大きさの
スケールモデルペーパークラフトです。
先端のカーブも、ペーパークラフトで再現できます。

ロケットも、飛行機も、実物を開発する際に、
たいていは、風洞試験を行います。
いきなり実物を作って、うまくいかないとまずいので、
実物そっくりの小型模型に、風を当てて、
どんな力が作用するか確かめるのです。
飛行機も、ロケットも、大きさが違っても、
形が同じであれば、同じような飛行特性を示します。
(ちなみに、日本は、戦後、航空機の開発を禁止されました。その時に、この風洞試験用の小型模型を作ることも禁じられました。しかし、それを日本語訳した日本人は、風洞試験を知らなかったのか、「模型飛行機」も全部禁止にしてしまいました。その結果、日本中のおもちゃ屋さんから、飛行機の模型が消えたのです。でも、GHQは、子どもの玩具など規制するつもりはありませんでした。日本人が、勝手に曲解して、勝手に禁止したのです。同じ現象は、現在の航空輸送禁止品にも見受けられます。日本人は進化していないように思えます。)

ちなみに、このペーパークラフトロケットは、飛びます。
先日、植松電機に小学生の子が来てくれました。
彼は、自分の力で、この大型のペーパークラフトを完成させました。
そして、打ち上げです。
無事打ち上げ成功です。
とても精度よく組み立てられていたから、それはもう、
美しくまっすぐに飛んでいきました。
彼には、素晴らしい能力があります。

彼が帰るとき、タクシーが迎えに来ました。
考えてみたら、このロケットを持ち帰ることを考えていませんでした。
長さ1m以上もあるロケットを抱えて、彼は公共交通機関を乗り継いで家まで帰るのです。
でもきっと、彼は、誇らしい気持ちで帰ってくれるのだと思います。

モデルロケットという科学教材があります。
安全にロケット打ち上げを経験できます。
ちなみに、Amazonで発射台もロケットも、まるごと買えます。
でも、けっこう高価です。

だからこそ僕は、ペーパークラフトロケットに価値があると思います。
お金がないからできない、ではなく、
お金がないから、自分で作る、です。
しかも、売っているものよりも、かっこうよくて大きいものが
自分で作れるのです。
設計を覚えたら、自分で自由に世界唯一のものを作れます。

自分でゼロから作ったものが、青空にものすごい勢いで
必死になって上っていきます。
そのがんばる姿に、きっと元気と勇気をもらえます。

小学生の時に、ロケットの図鑑に定規を当てながら、
ロケットのペーパークラフトを作ろうと必死になりました。
どうしても、先端のとんがりの部分がうまくいかなくて、
ずいぶん悩んだことを、昨日のことのように思い出せます。
同じようにがんばってる子に、僕の見いだした方法を
伝えられたらいいなあ、と思っています。
そういう本を作りたいなあ。

f:id:Tsutomu-uematsu:20141127115558j:plain

f:id:Tsutomu-uematsu:20141127115621j:plain

f:id:Tsutomu-uematsu:20141127115626j:plain