植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

「食おう」としなければ、なんでもできる。

職業に関する夢を叶えるために、もっとも簡単確実なのは、
それで「食おう」と思わないことです。

画家になりたい。漫画家になりたい。女優になりたい。
声優になりたい。スポーツ選手になりたい・・・・
全部、「食おう」と思わなければ、なんぼでもできます。
というか、自分で好き勝手にやればいいです。

画家になりたければ、絵を描けばいいです。
漫画家になりたければ、マンガを書けばいいです。
女優になりたければ、演じればいいです。
声優になりたければ、どんどんしゃべればいいです。
スポーツ選手になりたければ、スポーツすればいいです。

不思議なことに、少なからずの人が、
夢をあきらめた理由として、
「食えないからあきらめた」といいます。

僕は、やめなければいいのに。と思います。
なぜなら、やめたら、それからの成長や技量向上が無いからです。
やり続ければいいです。そうすれば、技量が向上します。
もしかしたら、食えるようになるかもしれません。

最初っから、生活できるだけの対価を得られるほどの技量を持つ人は、そうそういません。
例えば、自動車の免許。
免許取り立ての人の車には、あんまり乗りたくないですね。
何年も運転して、ようやく、安心できるようになります。
仕事も同じです。

例えば、飲食店をはじめたなら、最初は、お客さんに味を知ってもらうことが重要です。だから、安売りや試食をするじゃないですか
それって、採算割れてるケースが少なくないです。
それは、「食えない」状態です。
僕も、マグネットを販売しはじめたとき、
だれも知らないから、だれもわかってくれないから、
デモンストレーション機をたくさん用意して、
ただでつかってもらいました。
それは、採算だけ考えたら、赤字です。
でも、だからこそ、あとから食えるようになりました。

では、食えない時期はどうすればいいのか?
生き延びることが重要です。
その時、大事なのは、生活の収支です。
収入を増やすことと、支出を減らすことは、同じ効果があります。

また、自分の時間を有効に使うというのも、とても重要です。
ぼやっとしてる時間がないか、は注意すべきです。
また、情報を得る時は、その密度も重視すべきです。
残念ながら、現在の日本のテレビ放送は、単位時間あたりの情報量が少なすぎると思います。ディスカバリーやヒストリー、ナショジオなどの番組の方が、遥かに効率的に学べます。
僕は、料理も好きですが、調理が終わった段階で、調理に使用した道具の洗浄は終わっています。だから、後片付けがはやいです。
(フライパンなどは、暖かいうちに洗うとすぐに奇麗になります。

もちろん、ぼーっとする時間も大切です。
そういう時も、真剣にぼーっとします。
(アニメのスペース・ダンディの中で、「必死にリラックス」という矛盾した状態がありましたが、ある意味、それかも。)

僕は、通勤時間ももったいないと思いましたから、
名古屋時代には、最も移動時間が短い手段として、
自転車をつかっていました。

人生は短いです。
その人生を、最大限に活用するためには、
時間を大切にすることが一番です。
そして、大切にした時間をつかって、スキルアップを目指すのです

ローカルラジオでパーソナリティができるようにがんばる。
市民劇団でがんばって演じる。
社会人スポーツ倶楽部でがんばる。
知り合いの会社のパンフレットを作る。会社案内をマンガをつかって作ってみる。
いろんな仕事を経験した結果、それをネタにしたマンガが書けるようになるかもしれません。
などなど、お金にはならないかもしれないけど、スキルアップになり、しかも人脈を得られる道は、たくさんあります。

僕は、飛行機やロケットが好きです。
名古屋で夢を叶えます。
でも、その夢をやめてしまい、北海道に帰ります。
そして、家事手伝いから、会社を興し、
リサイクルの現場をかけずり回って14年。
ロケットに再開しました。
でも、僕は、その14年間、飛行機やロケットの勉強をし続けました。だからこそ、再開したチャンスをつかめたのだと思います。

昔、「たしなみ」という言葉がありました。
たしなんだ結果、スキルが身に付いて、対価が得られるようになっちゃった。というのが、本来の道だったような気がします。
そしてそれは、きっと、ヨーロッパのマイスターの仕組みに似ているかも。
食えない修練の時期があるからこそ、スキルが身に付きます。

本来は、学校はその役目を持っていたはずです。
でも、その学校が与えるスキルは、受験対策でした。
それが必要ない人にとっては、時間とお金の無駄です。
その時間とお金を、他の道につぎ込むこともできるんです。

いきなり「食おう」とするから、
「食える」対価に見合わない能力が否定されるのです。
「食おう」と思わなければ、なんぼでもできます。
重要なのは、スキルアップの努力と、努力のための時間作りです。