植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

進路について考えてみよう。

高校ではたいてい、二年生から進路選択でコースが別れます。
文系と理系にわけられることが多いと思います。

だから、高校1年生の後半は、とても悩むはずです。
文系と理系のどちらを選ぶのか・・・

僕も、選択をせまられました。
僕は、高校の数学も物理も科学も大嫌いでした。
成績もとても悪かったです。
でも僕が読む本は、科学技術の本です。
そして僕は、飛行機や自動車の運動解析に夢中になり、
コンピューターで微分積分運動方程式を独学で作っていきます。
僕は、歴史も大好きでした。
でも、いずれも、学校の授業とまったくリンクしていません。
だから、学校の成績はとても悪いです。
でも僕は、数学も、物理も、科学も、歴史も好きなのです。
そして僕は、飛行機を設計するために、
航空力学や流体力学を学びたいと思います。
残念ながら、日本の大学で、航空力学を専門的に教えてくれる学科は、当時、ほとんどなくなっていました。
でも、流体力学は、いろんな学校で学べました。
だから僕は理系の工業大学を選びます。
でも、進路の先生には、
「お前の成績では絶対無理だから、文系を選べ」と言われます。
でも僕は、流体力学を学びたいのです。

という調子で進路選択をして来た結果、
僕は、飛行機やロケットの開発に関わり、
そして、いまも自分の好きなことができています。
でも、僕は、ずーっと学んでいるのです。
大学で教わったことなんて、わずかです。
時間的にも、大学の4年間なんて、短いし、
しかも、流体力学を学んだ時間数なんて、ほんのわずかで、
さらに言えば、実験に費やした時間も、ほんのわずかです。
でも、僕は、学びたかったから、授業以外に勝手に学んだし、
勝手に試しました。
それを、ずーっと続けているから、僕は好きなことを仕事にできています。


間違えてはいけないのは、「進学」なんてのは、
「夢」を実現するための手段のほんの一つに過ぎないということです。
だから、「実現したい夢」が無い状態で「進路」を決めるなんて、
ナンセンスです。
でも、そういう進路指導が行われています。
おかしいです。

夢とは、大好きなことや、やってみたいことです。
子どもの頃は、みんなたくさん持っています。
でもそれは、受験という価値観で奪われます。
進学や就職と関係なさそうに見える夢は、否定されます。
好きなことをしてる暇があったら、勉強しなさい、と言われます。
それでいて、中学や高校になってから「夢はなんだ?」「夢を持て!」と言われてもこまります。

進路選択で苦しんでいる人達は、
一度、進学や、就職や、世間体や、親の視線や、
食えるか食えないか、とかを頭の中から消して、
自分の好きなことややってみたいことについて
かんがえて、紙に書き出してみたらいいです。
それも、一つじゃなくて、たくさんです。

もしもそのとき、職業名が頭に浮かんだなら、
なぜそれをやりたいのかを考えて、それも書いておいてください。
そして、どんなその職業人になりたいのかを考えて、それも書いておいてください。
(例えば、保育士さん、と思ったら、なぜ保育士になりたいのかを考えると同時に、どんな保育士になりたいのかを考えるのです。それがよくわからん、とおもったら、本屋に直行です。その分野の働いている人が書いたエッセイや、その分野の人の伝記を読んでください。)

そのたくさんの「やってみたいこと」のなかのどれかは、人や社会に役立つものだと思います。
それが、もしかしたら、自分の適職かもしれません。
じゃあ、それを実現するには、どういう知識が必要なのかをしらべ、それを学ぶためにはどうしたらいいかを調べ、
その結果として、進路が見えてくると思います。