植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

社会や科学の恩恵を感じぬ人達は、社会や科学に貢献しようとは思わないよね。

僕は、いろんな学校のスーパーサイエンスハイスクールに関わっています。

そこでは、素晴らしいカリキュラムが展開されています。
その内容は、下手したら、大学の1年時よりも濃いかも。

しかし、僕が気になるのは、
実験や分析やプレゼンの勉強はたくさんしてるけど、
サイエンスが、なぜ必要なのか?についての教育に
時間をかけてるようには、あんまり見えないことです。

原発の事故の影響もあり、
科学の発達を嫌う人達もいます。
でも、そういう人達は、科学の恩恵を感じない人達です。


「自分は一人でも生きていける。だれの助けもいらない。
だから、だれも、自分に助けを求めないで。」
なんて言ってしまう学生を時々見かけますが、
人跡未踏の地でこれを言ってるなら、素晴らしいです。
でも、実際には、夜も安心して眠ることができて、
コンビニで食事も手に入って、という、
社会の恩恵を受けている人が言ってるケースしか見たこと無いです。
そういう人は、社会の恩恵を受けていても、
社会に貢献しようという気持ちを持てない人だと思います。
(本当に人跡未踏の地を生きる経験をした人達は、社会の恩恵をものすごく感じているから、すごく社会貢献しています。)


人間は、工夫して、改良して、生きてきました。
疫病や、飢饉や、猛獣や、自然災害や・・・
とにかく、苦しんだから、苦しまないように、
努力をして文明を発展させました。
それと、自然破壊とかは、別問題です。

科学の発達と、たとえば、安全対策が不十分な原発の建設を
おなじ「科学」として考えるべきではないです。
経済第一での自然破壊も、利益第一の安全対策不十分も、
それは、科学の発達ではないです。
科学を金儲けのために間違ってつかった結果の問題です。

どんな技術も、どんな科学も、悪くつかおうと思ったら、
なんぼでもできてしまうことです。
だから、悪くつかわないための、心の教育も
とても重要だと思います。

高度なサイエンスについて学ぶ子達は、
さらに、高度な社会性も学ぶべきだと思います。