植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

「自分なんて・・・」から抜け出すには

自分なんて・・・

と、思いがちな人に共通しているのは、
わざわざ自分より優れていると思う対象と自分を比較することです。

そんなの、負けるに決まってるじゃん。

そんな比較しても、自分のコンプレックスが増強されるだけです。
それは、自虐的な行為かも。



「自分と誰かを比べる」とき、
比べるためには、比べる基準が必要です。
そして、その基準が単純化されるほど、比較は真理から
遠ざかるような気がします。

例えば自動車。
フェラーリ512BBと、ランボルギーニカウンタックLP400の
どちらがはやいか。
という議論は、昭和40年代の人なら、経験があるはず。
両方とも、最高速度は300km/h。
さて、ここからどうする?どう比べる?

僕は、子どもの頃から、馬力と重さの比を比べたり、いろんなことをしてみました。
あげくは、高校生の時には、加速を積分してシミュレートするプログラムも作りました。(高校の授業の微分積分は理解不能でしたが、勝手に積分のプログラムは作っていました。)
しかし、調べていくと、変なのです。
どうやら、公表されている馬力も、車両重量も、ウソっぽいのです。
最高速度も、ウソっぽいのです。

現在では、両方とも最高速度は280km/h程度。
カウンタックに至っては、重さは当初の公表値と500kg近くも違ったり、まあ、めちゃくちゃです。

そして、さらに調べていくと、
フェラーリ512BBの重心位置に起因する運動性能の問題点なども、
わかってきました。(鈴木亜久里選手はある番組で、512BBを、エンジンは最高だけど、ハンドリングはワンボックスの様だ、と表現していました。当たり外れもあるかもしれないけど、その表現に笑っちゃいました。)

自動車の良さは、単純に馬力や速度で比べられるものではありません。
あらゆる要素がからみあっているのです。
(さらには、シートの質感とか、ギアチェンジの感覚とか、ハンドルの感触とか、そういうのも、全部影響してきます。)
(そういう意味では、グランツーリスモというゲームは、車両の運動に関しては、かなり興味深いです。)


人間がつくった機械である自動車でさえ、
カタログスペックで比較しても、その本質にはまったく届きません。

ましてや、人間を、ごく一部の数字などで比較しても、
その人間の本質になんて、まったく届かないです。

だから、頭の中に、「自分より優れているだれかにくらべて、自分は劣っている。」という思考が浮かんだ段階で、
「それ、くらべてもしょうがないよ。」と、
その思考をふるい落とす練習をした方がいいです。
だって、くらべてもしょうがないもん。

さて、では、なんで比べるのか?

それはもしかしたら、「やらない言い訳」のためかも。

自分が躊躇していることをやらないための言い訳に、
「自分なんて・・・」を利用していたりして・・・

でも、実は、自信は、自分の躊躇の向こう側にあります。
躊躇を乗り越えたら、自信が得られます。


「自分なんて・・・」から抜け出すために大事なのは、
「躊躇」と向き合うことかもしれません。

やりたいけど・・・
やった方がいいのはわかってるけど・・・
どーせ・・・

「躊躇」を、どうやったら超えられるか考えたら、
もしかしたら、「誰かと比べる症候群」から、
抜け出せるかもしれません。