植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

夾叉!

夾叉(きょうさ)ということばが、テレビから聞こえてきました。
艦隊コレクションというアニメーションです。

少し前まで、こんな言葉を知る人は、ごく一部だったと思いますが、「艦これ」のおかげで、知る人が増えてると思います。

夾叉とは、大砲の射撃の際につかう言葉です。

大砲の弾を、目標に命中させるのは大変です。
大きな大砲になると、地平線の向こうの目標を狙うことになります。
そんなの、一発目からあたるわけないです。

おまけに、大砲にも、大砲の弾にも、製造上のばらつきがあります。
同じ大砲から、同じように弾を発射しても、同じ場所には落ちません。かならず、ばらつきます。そのばらつきの範囲を、散布界とよびます。
大事なのは、この散布界の真ん中あたりに目標を持ってくることです。

ということで、まず、おおよその目標の方位と距離をしらべて、
少ない数の大砲で、同一の調整で射撃します。
その着弾位置を見て、二発目を修正して射撃します。

その弾着が目標を前後左右に挟んだら、夾叉です。
あとは、その調整で、沢山撃てば、あたる可能性があります。

陸上の場合、最初の弾着が目標の手前だと、
爆煙で目標を見失う可能性があります。
だから、最初は少し遠目を狙うそうです。
そして、次は、目標の手前。
そうすると、目標をとらえやすいのだそうです。

僕はこれを、実験でつかいます。
最初の実験の結果は、基準になるからとても大事です。
でも、次の実験のためのパラメーターの修正を、
ほんの少ししかしなければ、その間に目標を挟むことができません。
パラメーターを動かすときは、大胆に。目標を挟むように。

うまくすると、三回目で命中します。
というか、うまくやるためには、最低でも、2回は外れるってことです。


僕らは、鉄砲を持たされて、マトを撃てと言われます。
一発目で、当てる自信があれば撃て、と言われます。
はずしたら、ぼろかすに言われます。ダメ人間のレッテルを貼られるかもしれません。
一発で当てる自信ないです。だから撃ちたくないです。
「しっぱいしたらどうしよう・・・」こわくて、引き金をひけません。

ということを、僕らは、学校のテストで教え込まれていないでしょうか。

でも、人生は、テストじゃないです。
そして、入試でなんぼすべろうが、
そのあと、大学で留年しようが、
もちろん、大学途中でやめようが、
もちろん、大学にいかなかろうが、
人生には、そんなにマイナスの影響はないです。

人生は、いつでもチャンスに溢れています。
それを学校のテストで教え込まれた、「しっぱいしたらどうしよう」でふいにするのはもったいない。
もしかしたら、人生にとっての本当のマイナスは、
「しっぱいしたらどうしよう」で、引き金を引けないことかも。

下手な鉄砲、数撃ちゃあたる。
外れたら、数撃ちゃいいです。
僕なら、散弾銃か、機関銃をつかいますね。

しぶとく、目標を撃ち続けていきましょう。