植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

自分ではどうにもならない状態を自覚する勇気

以前見た海外のドラマで、
深刻な悩み事を、一人で抱え込んでしまっている人に、
「あなたはいま助けを必要としているの」
と言ってるシーンがありました。

日本では、あまり聞かない表現だったので、心に残りました。


以前、友達の運転する車に乗っていた時、
彼に運転を任せっきりにしていて、彼はきっと疲れていたのだと思います。
凍り付いた道で、スリップして、ガードレールにぶつかってしまいました。
気温はものすごく寒く、マイナス20度近かったかもしれません。
あわてた彼は、車を出そうとしますが、スリップして動きません。
彼は、素手で雪を掘りはじめました。しかも、
運転していたままの薄着です。
僕は、彼に上着を着せて、そして、助けをよんだから、
追突事故などに巻き込まれないように、車から離れよう、と
言いましたが、それで彼も、我に返ってくれました。

人間は、ピンチになると、脳みそが止まります。
適切な判断ができなくなり、
ときには、しなくていいことをすることに逃避します。

夜、不安で眠れない時、頭の中は、「困ったなあ」「どうしよう」がぐるぐるしてるだけで、何にも考えていないです。

だから、いくら眠れぬ夜を過ごしても、
状態は良くならないのです。
むしろ、放置している問題は、時間とともに、
どんどん悪化していくのです。


だから、助けは必要です。
その助けは、まわりから提供すべきです。
だって、本人は、思考停止だから。

もちろん、そういう人は、助けを拒否することもあります。
でも、「あなたはいま助けを必要としているの」です。
それをしっかり伝える必要があると思います。

そのためにも、「あなたはいま助けを必要としているの」を
受け入れられる体質作りも大事だと思います。

自分は今、正しい判断ができない状態だ、という状態があるということを納得できるようにしておかないと、
助けを受け入れることができません。

でも、それを「ちゃんとしなさい」が阻害します。
「ちゃんとしなさい」と「人に迷惑をかけるな」が
セットになると、人は、人に助けを求められなくなります。

人は、自分ではどうにもならない状態に陥って、困るのです。
困っているときは、自分ではどうにもならないのです。
どうしていいのかわからない、という状態で、
いくら考えても、状態は変わらないです。

だから、素直に、困ってることを話して、助けを求めた方がいいです。
自分はいま、自分一人ではどうにもならない状態なんだ、ということを、自覚する勇気はとても大事です。