植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

支える。褒める。認める。任せる。感謝する。信頼する。

福岡大学ベンチャーシップ特論の学生さんが、
毎年成長しているのは、
おそらく、担当のボスのやり方ではないかと思います。

担当のボスである先生は、
学生を信じています。任せます。
万が一の時は、背負う覚悟をしています。(先生なら当然なのかな?)
そして、学生には、あまり命令していないです。
任せます。
自分は、方針を伝えます。ベクトルの向きを伝えます。
あとは、学生がどの道を選ぶのかは自由で、
先生はその道を活用して学生が育つよう支えています。
ように、僕には見えます。
(僕の勝手な思い込みかもしれないけど、僕が学生なら、そう感じるはずです。)

山本五十六の言葉に、
「やってみせ、いってきかせて、させてみて、褒めてやらねば、人は動かじ。」というものがありますが、
これには続きがあり、
「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。」
「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」
の、3つで構成されています。

きっと、ベンチャーシップ特論の学生さんたちは、
この環境にいられているのではないかと思います。

僕も、会社を経営していますから、常にこれを意識しています。
そして、過去に、そうではない人たちと出会っているからこそ、
ますますこれの大切さを知っています。

君に任せたよ。君の判断でやってくれ。と言っておきながら、
しばらくしたら、「俺はそんなこと聞いてないぞ。」と
言い出す人がいます。
もう、そうなると、現在までの全てを説明しなければならず、
おまけに、それをひっくり返されます。
これをやられると「ああ、努力は無駄なんだ。」と
思ってしまうものです。
そして、二度と、自発的に行動しようなんて思えず、
「あいつのいうことが間違っていても、とりあえず、言われたことを、最低限やっておけば十分だ。余計なことをしたら損をする。」という思考に陥ってしまう可能性があります。

報告と説明を求めるのは、判断のためです。
でも、相手に「君の判断に任せるよ。」と言っておきながら、
「俺そんなこと聞いてないぞ」なんていうと、
俺が判断する、と示してしまうことになる可能性が高く、
相手は判断できなくなってしまいます。

もちろん、プロジェクトが正しく前に進んでいるかの確認は必要ですから、適宜報告や調査は必要です。
でも、その場合でも、任せたからには、その人の考えを支えるべきですし、自分は、いざという時のためにいるはずです。

もちろん、時々、初耳で驚くこともあります。
でも僕は「俺はそんなこと聞いてないぞ」という言葉を
使わないようにしています。
なぜなら、だいたい世の中、トラブルは、突然来るもんです。
例えばリーマンショック。「俺そんなこと聞いてないぞ!」なんて言ったって、どうにもならないです。
すべきことは、問題やトラブルの解決です。

先にも書きましたが、
「考えさせておいて、その考えを否定する。」方式は、
人間の思考力も自信も奪います。
それは、CAPの定義であれば「暴力」です。
そういう人は、会社や組織内で、後輩を潰す人になります。
そういう人は、会社や組織にとって、害悪です。
でも残念ながら、そういう人へ強制力を持つ法律などが未整備です。
だから、大事なのは、そういう人にならない努力だと思います。
(こういう人と関わるときは、やりとりを録音したほうがいいです。それが、労働基準監督署などを動かす証拠になります。)

「やってみせ、いってきかせて、させてみて、褒めてやらねば、人は動かじ。」
「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。」
「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」

支える。褒める。認める。任せる。感謝する。信頼する。

多くの人が、これを、周りの人に対して行えば、
おそらく、暴力やいじめはなくなるような気がします。
みんなが成長できると思います。