植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

人生継承のサイクルシティ計画

僕が暮らす赤平市は、石炭を掘っていました。
いまは掘っていません。
だから、ものすごく不景気です。

6万人いた人口が、1万1千人まで減りました。
強烈な過疎化です。
だから、仕事がほとんどありません。

でも、札幌から車で1時間です。
千歳空港までも、1.5時間です。
旭川空港も1.5時間くらいかな。

下手に札幌横断するより、赤平まで走った方が
はやかったりします。

おまけに、札幌に比べて、地価が安い。
べらぼうにやすい。
人口密度も、きわめて低い。
違法電波もほとんど無いから、衛星の電波受信にも最高。

で、僕のいる工業団地は、空知管内の工業団地の中で、
おそらく唯一、光ファイバー回線が来ています。
(いまは、さすがに全部ひかれてるんじゃないかな。)
この回線を引いてもらうために、赤平市役所の皆さんが総出でがんばってくださいました。

不便な便利屋というドラマを見たら、
飲み屋の背景でコスプレして大騒ぎしている人は、
大半が市役所の人たち。
みんなすてきな笑顔です。



過疎化だから、もうダメだ?
それいったら、札幌だって人口減ってるよ。
というか、日本の人口そのものが減ってるじゃん。

高齢化だから、もうダメだ?
そんなの日本中みんなそうだわ。

不景気だから、もうダメだ?
ん?どこのこと?なんのこと?
同じ業種でも、伸びてるところは景気が良くて、
衰退しているところは、景気が悪いの?
伸びてる人は、努力してるんじゃないの?
おまけに、消えていく職業はあるよ。
ほかの職業が消えていくときは気にもしないで、
自分の職業が消えていくときは、助けを求めるの?
僕は、自分の職業が消えることを想定して、
次の職業の割合を増やす努力をしているよ。

高等教育が受けられないから、もうダメだ?
高等教育ってなんだ?
ハーバード?プリンストン
それなら、日本にいる段階でだめじゃん。



重要なのは、

過疎化だから、どうする?
高齢化だから、どうする?
不景気だから、どうする?
高等教育が受けられないなら、どうする?

を考えることじゃないのかねえ。

「してもらおう」とおもったら、かないません。
「する」とできます。

僕は、この、静かで人口密度が低くて、
札幌まで1時間の赤平市が好きです。
可能性があると思っています。

僕の会社には、様々な実験装置があります。
測定装置もあります。
実験できる広い場所もあります。
工作設備もあります。マシニングセンターもあります。
CATIAも入っています。
おまけに、なんでもやっちゃう仲間がいます。

これらの資本を活かして、
技術系の職業の方で、定年退職した人に、赤平市に移住してもらって、独自の発明や研究をしてもらえないかな、と思っています。
おそらく、技術系の人たちは、一生なにか生み出していたいはず。
そういう人が、何でも作れるファクトリーシティ。
巨大で本気なファボラボ。
そもそも、家や町を開発するとこまですんでる人がやっちゃう。
そこに集まる経験者達の、経験と、人脈が、さらなる奇跡を起こします。
そして、そういう人たちが先生になって、子ども達を育てたら、どんなことになることやら。


赤平市も市長さんが新しくなりました。
もしも、赤平市がこの計画が町のためになると思ってくれたら、
もしかしたら、いい勢いで前進するかも。
(なにせ、僕一人ではできることに限りがあるので・・・)

そして、この仕組みは、土地が余ってる町なら、どこでもコピーできるはず。

40代が働いて、60代が20代を育てる。
これが、伊勢神宮20年遷宮の理由です。

この人生継承のサイクルを、赤平で、実現したいと思っています。