植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

なにを提供したか、ではなく、どんな成果を得たか

人間は、みんな違います。
おんなじ人間はいません。
そんなの、わかりきったことです。

そういう人間を相手に教育を行うということは、
先生という職業は、毎回、まったく違うパターンの人間を相手に、必要な能力を与えるのが仕事のはずです。

ところが、「必要な能力を与える」ではなく、
「きめられた授業を提供する」で止まっている先生もいるように感じます。

僕の経験からいくと、
そういう先生は、生徒の学力が低かったり、
生徒が言うことをきかないのを、
「生徒のせい」することが多かったです。
「今年はあたりがわるかった。」
という声を先生から聞いたことが何度もあります。

僕は、リサイクル用のマグネットを売っています。
でも、僕の仕事は、リサイクル用のマグネットをお客さんのところに送って、入金を確認することではりません。
お客さんの仕事がよりよくなることが、僕の仕事です。
だから僕は、お客さんからマグネットの注文が来ても、
お客さんのやりたいことを確認して、
お客さんに最適な提案をします。
そのとき、マグネットじゃない方法が最適な事もあります。
それでも、その方法を提案します。
僕としては、マグネットが売れないと売り上げにならならないのですが、でも、お客さんが、間違った買い物をして損をする方が嫌です。

僕は、ロケット教室に行きます。
僕は、子ども達にロケットを作ってもらいます。
でも、「ああしろ」「こうしろ」と一切言いません。
子ども達にまかせて作ってもらいます。
僕は、そこで、助け合うことや、助けを求めることの大切さを体験してもらいます。
ロケットを作らせることは、そのための手段に過ぎないです。
もちろん、子ども達には能力に差があります。
だから、全員が同じペースで作れるわけではありません。
でも、器用な子は、他の子を助けます。助ける課程で、学びが深まります。
器用じゃない子も、大人の力を借りずに完成することで、達成感を感じるようです。
そして、なぜか、一時間で全員完成します。

過去に、仕切りたがりの先生が、全員に、
まずはこれをやれ、みんなできたか?勝手なことするな!じゃあ、つぎはこれをやれ、みんなできたか?方式でやってくださったことがありましたが、
器用な子は、ひたすら待ち時間で、暇をもてあまして、違うこと始めるし、遅い子達は、みんなを待たせているプレッシャーで、どんどん手が動かなくなっていくし、結局、完成までに3時間を必要としました。子ども達は、言われたことを、言われたとおりにやることしか許されていませんでした。

仕事の上で大事なのは、「なにを提供したか」ではなく、
「どんな成果を得たか」のような気がします。

どんな仕事も、「プラン」「ドゥ」「チェック」「アクション」で、仕事の質が上がっていきますが、
「言われたことを、言われたとおりにやるだけ」の先生は、
「すべきことを提供して終わり」で、「成果や効果のチェック」が足りないかもしれません。
それはまるで、自動音声のガイダンスや、融通の利かない接客のようなものかもしれないです。

義務教育の目的は、「よき社会人を作る」はずです。
それが達成されず、「言われたことすらできない人」を
卒業させてしまうとしたら、それは、義務教育が目的を果たしていないことになると、僕は思います。

ひどい家庭環境にいる子もいます。
そういう子達を救い、よき社会人にするために、
「義務」教育なのではないかと思います。

もちろん、そうなると、先生だけでは荷が重すぎます。

だからこそ、義務教育は、もっと、児童相談所や、児童心理カウンセラーなどとも連係し、
様々な「特別な支援」で子ども達を支えるのがいいと思います。


そういう連係を考えるのって、だれなんだ?教育委員会か?