植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

失敗を避けると、ドリームキラーになるかも。

夢を持つって、とても大事なことだと思います。
それは、現在手の届かないことに向かう心です。
向上心の源泉です。努力の源です。

だから、夢をあきらめさせられると、
向上心が持てなくなります。努力できなくなります。

よほどお金がないと・・・
=おまえんちは貧乏だから無理だよ。
よほど頭が良くないと・・・
=おまえは頭が悪いから無理だよ。
よほどセンスがないと・・・
=おまえには才能や適正がないから無理だよ。

向上心が持てず、努力が出来ない人は、
がんばれなくなります。
今できることしか出来なくなります。
考えたくなくなります。

そして、そんな自分を正当化するために、
最強のやらない言い訳を使うようになります。
自分なんて・・・
どーせ・・・
無理・・・

もしも、最近の若者が、無気力で、無関心で、
言われたことすらできないし、考えることもしない。
と、文句を言う人がいるとしたら、
それは、彼らの夢をあきらめさせた人が、
彼らをそうしてしまった可能性があります。
だとしたら、そういう若者は、犠牲者です。

誰かの夢に対して、
なんで、評論したり、評価したり、出来ない理由を教える必要があるのでしょう?

実は、受験で重視される「偏差値」が生まれた理由は、
受験に失敗した親が「先生の指導の通りに希望校を受験したけど失敗した。高望みさせた先生のせいだ。この責任をどうしてくれるんだ。」とねじ込まれてしまったから、
確実に合格する範囲の目安として、偏差値という概念を受験に導入したのだそうです。

僕は、偏差値というものの良くない面を知っているから、偏差値という概念は好きになれないけど、まあ、偏差値を導入した先生の悔しさや、やるせなさは、とってもよくわかる気がします。

現在の自分の能力の範囲から未来を選ぶのなら、
失敗はそんなに生じないでしょう。
しかし、そこには、成長もありません。
成長のためには、自分の能力で出来ない範囲に手を伸ばす努力が必要です。そして、その際には、失敗が生じる可能性もあります。
その「失敗」を避ける努力をしたら、成長はなくなります。

「失敗したらどうするの!?」
「あんた、やったことないんだから、やめておきなさい!」
我が子を失敗から遠ざける行為は、我が子の成長をストップさせてしまいます。
そして、ある日気がついたら、「見た目は大人、頭脳は子ども」という、コナン君の逆の人間が完成します。
もう、解ける謎なんて無いです。常に迷宮です。
でも、そういう大人、けっこう見てきました。
そういう人は、他人の夢をつぶす人になるのかも。

子どもが最初に歩き始めたとき、
「あんた、まだちゃんと歩けないんだから、座っていなさい!」
とは言わないはず。
転んでもいいように、見守ったはずです。
周りの危ないものをかたづけたりしたはずです。

子どもがかたことでしゃべり始めたとき、
「あんた、まだちゃんとしゃべれないんだから、黙ってなさい!」とは言わないはず。
意味不明な言葉に、勝手に意味を見つけ出して、子どもを褒めて喜んだはず。

それを、なぜやめてしまうのか。
やめなきゃいいのに。

人は、一生成長できます。
そのためには、一生、失敗するって事です。
その失敗を、「ダメ」だと思ったら、成長は止まります。
失敗は、せっかくしてしまった貴重なデーターです。
よりよくするために活かした方がいいです。