植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

鋼のハートの仲間つくり

僕は、子ども達に、
「生まれたときからあきらめ方を知ってる人はいないよ。
みんなは、せっかく、あきらめ方を知らないで生まれてきたんだ。
なんにでもなれる可能性をもって、光り輝いて生まれてきたんだよ。
でもね、そんなみんなに、誰かがあきらめ方を教えているよ。
なんで、そんなことするのか?
それは、おとなしくて、聞き分けが良くて、都合のいい人がほしいからだよ。
恐ろしい事に、みんなを「ショッカーの戦闘員」にしようとしてる大人が沢山います。
でも、ショッカーになったら大変だよ。ロボットに軽く負けてしまうからね。
だからみんなは、ショッカーにされないようにがんばってね。」
と話します。

実は、この話で、中学生が一番神妙な顔をするのは、
「みんなは、せっかく、あきらめ方を知らないで生まれてきた。」の部分です。

もしかしたら、中学生ぐらいだと、自分があきらめ方を知らなかった頃のことを思い出せるのかもしれません。

僕がこういう話をしているのは、実際、ショッカーな人が増えて困っているからです。
指示されたことを、指示されたとおりにしか出来ない。
自発的な行動がない。
困ってる人がいても、気がつかない。
そういう人たちも、元は、小学生でした。
転がるように走り、頼られたら喜び、がんばる人でした。
それが、ショッカーの戦闘員にされてしまいます。

ショッカーの戦闘員は、そりゃあ、扱いやすいです。
でも、現代の社会においては、そういう人が働ける場所は
きわめて限定されます。
「弊社は、余計なことを考えないで、言われたことを言われたとおりにやる人材を必要としています!」なんて会社、あるのかな。
あ、あるわ。人間の成長を期待せず、信じず、使い捨てにするような会社は、個々人の能力や成長よりも、単価の安さの方が重要です。ショッカーにされた人は、そういう厳しい労働しか出来ない可能性があります。

だから、子ども達をショッカーにしないでほしいです。
でも、先日、僕の話が終わった後、先生が、
「おまえらはショッカーでいいからな。オレの指示に従ってればいいんだ。勝手なことするな!」と生徒に向かって言いました。
僕の目の前で。

冗談にしてはたちが悪いと思いました。
生徒も、一瞬静まりました。みんな困った顔してました。
でもそこで、僕が、その先生に、
「このやろう、なんてこと言うんだ!」と怒ってもしょうがないです。
なにしろ、その子達は、毎日その先生に教えられるのです。
僕は、今日のこの一瞬しか関われません。
その先生に代わって、その子達を受け持つこともできません。

僕は学校で講演することが多いのですが、
おそらく、そのあとのホームルームで、
「いいか、あんなやつの言うことなんて真に受けるなよ。
夢とか希望とか馬鹿なこと言ってないで、
いま合格できる目標をしっかり持て!」と言い直してる先生は少なからずいるのだろうと思います。
だって、僕の話を聞きながら、苦虫をかみつぶした顔になってる先生がたくさんいるもの。

僕がどんなにがんばっても、
他人の人生に干渉し、夢をあきらめさせ、思考力を奪い、
社会に適合しにくいショッカーの戦闘員を作ろうとする大人は沢山います。
だって、企業においてさえ、パワハラ、モラハラがけっこう存在するのだから、うんと弱い立場の子ども達に対して、パワハラ、モラハラをしてしまう大人がいるのはしょうがないことでしょう。
そういう大人を一掃することはできません。

だから、そういう大人に負けない心を持ってもらうしかないです。
悲しい自信剥奪や、可能性剥奪の連鎖を、ぶつっと切ってくれる鋼のハートの仲間を増やしたいです。

僕がこのfacebookに書いていることは、
教育提供者や、保護者に向けて書いているのではありません。
だって、そもそも、問題のある先生や保護者は、自ら学ぼうとしないです。勉強会や講演会にも参加しません。
だから、当然、僕のfacebookなんて見に来るはずもないです。
僕は、ゆがんだ大人をなおすために自分の貴重な人生を使おうとは思わないです。

僕は、問題のある大人に、ひどい目に遭わされている人たちに読んでほしくて書いています。
ひとりじゃないよ。君はまちがってないよ。
という思いで書いています。

鋼のハートの仲間を増やしたいです。