植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

個人をでっかいくくりで分類するな。

「ゆとり」世代。
これにコンプレックスを持っている若い人は少なくないようです。
なんせ、些細なミスが、ことごとく「やっぱゆとりは」とか
「これだからゆとりはだめだ」とか、言われるのだそうです。

ちなみに、学校の現場でも、こういうことを言って、新人先生を見下す先生がいるそうです。
とんでもないブラックジョークのように感じます。
だって、そのゆとり教育を提供したのは、自分じゃないの?

ひどい話です。
もしも、本当に「ゆとり教育」が人間の社会性や生産性にマイナスの影響を与えているのであれば、それを提供した国家には、
そのマイナスを保障する責任があるかもしれませんね。
でもそのためには、本当にマイナスがあるのかを、
定量的に測定し実証する必要があります。

で、おそらく、そんなのないです。
いや、あるとしたら、「ゆとり」呼ばわりで差別されたことがもとで、心がつらくて、フルパワーが出せなくなってるのが、
原因かもしれません。

沙村 広明さんの新しい漫画「波よ聞いてくれ」に、
人の見方について書かれています。

おおよそざっくり書くと、「でっかいくくりで判断していて、あなた個人を理解しようとしていなかった。」という感じです。

以前も書きましたが、たとえば、韓国で客船が沈没しました。
そのとき、「やっぱり韓国人はダメだ」みたいなことを言う人たちが沢山いました。
なに言ってんの?なんで、韓国の人全員をおんなじくくりで判断するの?と思いました。

たとえば、出身校だとか、出身地域だとか、職業だとか、家族構成だとか、いろんなくくりがありますが、
重要なのは、個人です。でっかいくくりで勝手に憶測して決めつけて、本来見つめるべきものを見落とすのはもったいないです。

なぜ、決めつけるのか?
それは、その方が、楽ちんで安心だからです。
自分が持ってる情報と経験の範囲でパターン化して認識するって、すごく楽です。
全く新しい情報を自分に取り込むのは苦労を伴います。
だから、楽をしたい人は、決めつけます。
で、楽をするために決めつける人たちは、
得られる情報が少なくなります。
情報が少ないと、誤った判断をする可能性が高まります。
決めつける人たちは、やがては、会社や組織に損害を与える可能性がある、かもしれません。

「ゆとり」呼ばわりされて、嫌な思いをしている人たち。
実は、なんぼバカにされても、バカにはならない。のです。
ただし、バカにされて、悔しくて、恨んだり、呪ったり、怒ったり、やめたりしたら、バカになります。相手の思うつぼです。
だから、そんなときは、この一言。
「明日のために、今日の屈辱に耐えるのだ!」
今日の悔しさに耐えて、明日かたきをとるために、
涙をぬぐって、まずは実力をつけていきましょう。

ちなみに、この漫画。
ものすごく癖がありますから、
万人向けではない、と思います。
僕は大好きだけど。
札幌が舞台です。

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