植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

「だったらこうしてみたら?」の意味。

「だったらこうしてみたら?」を
「だったら、こうしろ」と勘違いしてしまう人もいるようです。

これは、大違いです。

「だったらこうしてみたら?」は、選択肢を提案することです。
「だったら、こうしろ」は、他人が選択した方法をさせることです。

アドバイスは、否定や、矯正や、規制や、引き算ではないと思います。
アドバイスは、たすことだと思います。(足す、和す・・・)

人間は、ピンチになると、選択肢を考えつかなくなります。
目の前の幾つかの選択肢のなかでぐるぐるするか、
その選択肢さえもえらべなくなったり・・・

そんなときに、違う選択肢を提案することで、
その人が新たに選ぶことができたら、前に進めるかも。

これは、虐待や暴力被害にあった人の心のケアの、
かなり最後の方の段階だそうです。

辛い思いをした人と接するときは、
まずは、話を聞いてあげるのが一番です。
じっくり、ゆっくり、いろんなことを話してもらって、
それに共感して、受容して、
そして、やっと心が前に向くようになったら、
「なにができるか、一緒に選択肢をたくさん考えよう。」です。

僕の「だったらこうしてみたら?」という言葉が、
すんなり心に落ちてこない人は、
誰かに方法を強制されて、辛い思いをした人かも。

誰かが夢を持っていたとき、
助けになる「だったらこうしてみたら?」は、
たいていは、具体的な問題解決方法じゃない方がいいです。
僕は、ほとんどの場合、
(1)こんな本読んでみたら?
(2)こんな人にあってみたら?
(3)こんなことやってみたら?
(4)こんな映画見てみたら?
などなど。
僕は、「違う視点の情報を取り入れてみたらいいよ」という
アドバイスをしています。

例えば、進路選択で何を選んでいいかわからない、という人には、僕は、「進路指導室の資料から離れて、実際にやってる人たちの話を聞けるチャンスを作ったらいいよ。」とアドバイスします。
もう少し具体的に、となれば、例えば、大学のオープンキャンパスもいいし、親戚に大学生がいれば話を聞いてもいいし、中小企業家同友会の例会にオブザーバーで参加してみたり・・・などのアドバイスをします。

壁にぶち当たってる状態は、
情報不足で判断できない状態であることが多いです。
だから、新しい情報を入れるのは、状況打開に効果的です。

「だったらこうしてみたら?」は、選択肢を増やすために使っていただけたら、きっと効果があると思います。
まちがっても、具体的方法を強制してしまわないように気をつけてほしいです。