植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

理系が国公立大学コースではなく、理系好きな人コースになったらいいなあ。

僕は、生まれて初めて会社を経営しています。
父の会社を引き継いだのではなく、
ゼロから作ることになったので、
大変なことも多かったです。
(しかし、先代からの会社の仲間も引き継いでしまって苦労している人の話を聞くと、ゼロから出来たことは、まあ、ラッキーだったかな、とも思います。)

特に大変なのは、一緒に働く仲間を探すことです。
相手は人間なので、思うようにはなりません。
先輩からは、「深入りするな。相手の家族構成とか知るな。」とアドバイスをされましたが、そうもできません。
僕は、一緒に働く仲間とは、家族や恋人のようでありたいと思っています。

で、いままで見てきて、わかったことがあります。
それは、たいてい、「文系」の方が伸びる。ということです。

僕の会社では、新しい開発や研究がほとんどです。
やったことがないことをやります。
最先端のことをやります。
だから、教えてくれる学科はありません。
教えてくれる先生もいません。
自分で考えて自分で試すしかないです。

だから、過去の知識量は、ほとんど関係ありません。
重要なのは、「どれだけ知りたがるか、やりたがるか。」です。
そのとき、「文系」は伸びます。

どちらかというと、「理系」の人には、こんな傾向があります。

人の目を見て話をしてくれません。目をそらされます。
そして、自分が知ってることや得意なことは雄弁だけど、
知らないことは「それ、自分の専攻じゃないんで・・・」と
さっさと切り捨ててしまいます。
そして、自分から他人に話しかけたりしたがらない感じです。

なんとなく、自分を守るので精一杯な感じで、
知りたがらず、やりたがらないです。
「知らない」ことや「できない」ことや「失敗」を
極度に恐れているように感じられます。

残念だけど、そういう人は、僕の会社ではうまく能力を発揮できないです。(ほかの会社でも同じだと思うけど。)

それにたいして、文系の人たちは、
まあ、関わりたがるし、やりたがるし、知りたがります。
そりゃ、のびるわなあ、と思います。

なぜ、この傾向が生まれるのか?

僕が高校生の頃は、クラスは理系と文系に別れていました。

理系=国公立大学
文系=そのた

という別れ方でした。

ということで、理系クラスの授業は、完璧に受験対策です。
当時は「共通一次試験(現在のセンター試験)」対策の勉強や、模擬試験もあめあられでした。
そこでは、成績の順位であおられ、たきつけられました。
でも、クラス40人いれば、当然、トップもいるし、最下位もいます。
その最下位の子は、前の中学校では、それなりに成績良かった子です。そして、「文系コース」に行けば、きっと成績いいです。でも「理系コース」に来てしまったから、成績が悪いです。
彼の能力は変わらないのに、比較集団が違うと、良かったり、悪かったりと、評価されてしまいます。
彼が落ち込む姿を見て、「変な仕組みだなあ」と思いました。

ちなみに僕は、模擬試験、お金だけ払って、当日行きませんでした。それを繰り返しました。
だって、いやなんだもん。
で、さすがに、受験が近づいたから強制的に受けさせられました。
なんと、判定は「A」でした。まず先生が驚きました。
そして、ついに、受験直前の模擬試験。
その結果は、「E」でした。先生が驚きました、どころか、怒りました。僕も悲しかったです。
でも結果的に、これで救われました。
そのときの受験で、はじめてマークシートに「*」が登場したのです。それまでは、模擬試験にも「*」はありませんでした。
で、僕は、まったく模擬試験を受けていなかったので、平然と、なにも入らないマークには「*」を付けたのです。
しかし、模擬試験をきちんと受けていた子達は、なにも入らないマークがあるわけ無いと、入れなくてもいい何かをいれてしまい、点数を大幅に落としてしまったのです。
みんながくちぐちに「*」のことで愚痴を言ってるなか、僕は、「模擬試験受けて無くてよかったあ・・・」と思っていました。
(これこそ、あまりにも特殊なケースなので、模擬試験を受けないことを肯定するためには使わない方がいいですが、でも、受験の中身は、毎年変わります。過去問題に縛られすぎてると、チャンスを逃す可能性があるということは、忘れない方がいいです。)

もしも「理系」が、受験対策コースではなく、
単純に、理系が好きな人のためのコースだったら・・・
と思っていたら、それがスーパーサイエンスハイスクールじゃん。

でも、残念ながら、「理系」=「国公立大学」というカテゴライズのままで、スーパーサイエンスをやっちゃってる学校は、どちらも不満足な結果になりかねないです。
その対策として、文系の普通コースでも、スーパーサイエンスの授業ができるように変化しつつあります。
それは、すばらしい変化だと思います。

これからあと、10年くらいで、スーパーサイエンスハイスクール経験者達が、社会にでてきます。
そうしたら、企業はかなり力を増すと思います。
日本は、世界から「必要だよ」と、もっと言われるようになれるかもしれません。
僕は、スーパーサイエンスハイスクールに期待します。

って、最近、スーパーサイエンスべたぼめすぎだね。