植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

失敗を恐れるあまり、わざと失敗するようにする人たち。

今日は、旭川の中学生が、約180人来てくださいました。
とても朗らかな子たちでした。

おそるおそる作ったロケットも、
無事に全機飛びました。
心配された大雨も、奇跡的に雨具を必要としないレベルの
霧雨ですみました。風もなく、ロケットは綺麗に真上に飛んで行きました。

時々、ロケットを作る子の中に、
「わざと失敗するように作ろう!」と言いながら作る子たちがいます。
元気に明るく振舞っていますが、わざわざそれを口に出して言うところから推測すると、ものすごく自信がないのかな、と思います。

失敗を極度に恐れるとき、
最初からわざと失敗することを明言しておけば、
失敗した時の言い訳ができます。
でも、それではきっと、自信が増えることはないです。
自信が増えないから、失敗が怖くて、本気を出さなくなり、
何事も斜に構えて、クールに振る舞い、ますます自信を失う・・・


僕たちはロケットを打ち上げる時、
「飛んでいったら成功です。もしもパラシュートが絡まったりしても、そこには必ず原因があります。だから、その原因を考えればいいですよ。」と言います。
でも、先生の中には、子どもたちのロケットのパラシュートが絡んだりすると、おっきな声で「あ〜!だめだ〜!失敗だ!」と楽しそうに叫んでしまう人がいます。
とても悲しいことです。
なんで、失敗って言うかなあ。なんでダメって言うかなあ。

他人の失敗を、笑い、からかう人はいます。
他人の失敗は蜜の味、という言葉もあるくらいですから、
それは、かなり昔から、普通に起きている現象でしょう。
でも、失敗した人の気持ちになってみてほしいです。

失敗は、せっかくしてしまった貴重なデーターです。
最初から予期せぬを失敗させる実験はとても難しいです。
でも、失敗をマイナスなことだと思い込んでる大人もたくさんいます。
確かに、大人になると、仕事上の失敗が、直接的に給料や出世に影響する人もいます。時には罰が与えられることもあります。
そういう環境で働く人たちは、失敗をマイナスとしか思えないかもしれません。
でも、本当は、失敗はデーターです。
失敗は、しないための努力はしたほうがいいです。
でも、失敗してしまった時には、それをデーターにする努力が必要です。

失敗を恐れるあまりに、最初から失敗するようにしてしまったり、
本気を出してないから、失敗しても当然さ、という態度をとる子たちには、
自信を取り戻すためのケアが必要だと思います。
それも、これから必要度が高まる、特別な支援だと思います。