植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

「罰」は良い結果をもたらさない。

昔、ライブドアという会社が、「粉飾決済」をしたそうです。
いま、東芝という会社は「不正経理」だそうです。
なにがちがうのかな。
ま、それはいいとして。

日本が太平洋戦争に踏み切るかどうかの決断をするとき、
重要だったのは、海外からの物資の輸送を確保できるかどうかだったそうです。
輸送船の損耗率を見積もってみたら、とても戦争できる状態ではないことが明らかになったそうです。
でも、そんな数字を示したら、戦争したがりの軍人が納得しないで大暴れしかねないので、しょうがないから、昔の戦争のデータを引っ張ってきて「戦争できそうな」数字にしてしまったそうです。
その結果、太平洋戦争にゴーサインが出たと言われています。

昔、某国で、最高指導者が農作物の生産を増やせ、と大号令をかけます。でも、たまたま天候不順があったり、無理なやり方がたたったりして、大凶作になったそうです。
でも、各地のリーダーは、「大豊作です」と連絡します。
その結果、ものすごい数の餓死者が出たと言われています。

これらに共通しているのは、きっと、「罰」と「保身」かもしれません。
都合の悪い数字を示すと、「罰」を与えられるから、自分を守るために、都合の良い数字を示してしまったのかもしれません。

そもそも、失敗は、たいていの場合、失敗しようとしてするものではないです。
自分なりに工夫してがんばったのに、結果が悪かった時、そこに「罰」を与えられると、自ら工夫してがんばる気持ちはなくなります。

「罰」が嫌だから、失敗しないために、何もしなくなるか、
「罰」が嫌だから、失敗を隠すようになると、
どっちもいいことにはなりません。

だとしたら「罰」ってなんなのかな?と思います。

子どもの頃、忘れ物の帝王だった僕は、いつも先生に怒られます。
「なんで忘れ物するんだ!」と怒鳴られます。
「さあ、なんででしょう?」なんて答えたら大変なことになりますね。でも、僕には、なぜ僕が忘れ物をするのかわからないのです。
何度も怒られて、怒鳴られて、殴られて、罰を与えられて、
それでも僕の忘れ物癖はなくなりません。
しかし、新しく担任になった先生が、チェックリストをくれました。朝、そのリストをチェックするのです。
そうしたら、僕の忘れ物癖はなくなりました。
あんだけ怒られて罰を与えられたのが、バカみたいです。

どんな失敗も、どんな都合の悪い状態も、
「なんでだろう?」と「だったらこうしてみたら?」で
改善するのがいいと思います。

(「いやいや、罰を与えないとなめられる」という意見もあるかと思いますが、「なめられる」のは、「罰」を与えないからではなく、普段からなめられる行動や言動をしてるからだと思います。って言うと、さらに火に油を注ぐかも・・・)