植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

コミニュケーション能力

犬や猫を販売するときに、あまりにも小さいときには販売しない方向に向かっています。
本当に小さいときに親と引き離されてしまった子犬は、
犬としての社会性を身につけるチャンスがなくなるそうです。
それを補うための子犬のスクールもありますが、
実際には、他の子犬と関わり合って学ぶものではなく、
おすわり、おて、ついて、など、人間にとって都合の良い
しつけを教えるものだけになっているケースが少なくないです。

うちの犬も、小さいときに来てしまったせいか、
他の犬と関わるのがとても苦手です。
遊びたいのでしょうが、どうやって話しかけたらいいのかわからないようです。
ただだまっておすわりして、他の犬を見つめているだけです。
それでいて、匂いを嗅がれると唸ってしまったり・・・・

なんだか、これって、人間にも当てはまるかもしれない、と思います。
小学校、中学校で、人間関係の問題解決の仕方を学ぶチャンスを得られないまま、「しつけ」だけされた子たちが、
高校、大学、そして、社会に出てから、どうやって人と関わっていいのかわからない状態に陥ってしまうのかも・・・

先日も、ある大学の大学院の教授が、「最近、コミニュケーション能力が無い人が増えてるんだよね。そういう人は、就職でき無いね。成績良かったから、大学院まで来ちゃったけど、本当は、もっと早い段階で、適切な支援が必要だったと思う・・・」と嘆いていました。

エリク・エリクソンさんは、精神の発達段階について述べています。年齢ごとに、精神発達のステップがあるようです。
僕には、今の日本には、適切な精神発達のチャンスを得られ無いまま、体だけ大人になってしまうような教育が、残念だけど実在するように思えます。

最近、フリースクールの子たちと関わる機会が多かったです。
そこの子たちは、朗らかで、気が利いて、優しかったです。
困っていたら助けてくれるし、本当に働き者でした。
というか、こっちを見ているのです。
だから、気づくことができるのだと思います。
話をするときも、こっちを見ているのです。だから、相手の表情などに気が付けるし、自分の表情の大切さも知るのかも。

人間にはっきり目立つ白目があるのは、動物として大きな弱点だそうです。
大抵の動物は、白目が見え無いようになっています。
なぜなら、白目が目立つと、目線を読まれてしまうからだそうです。
ところが人間は、わざわざ弱肉強食的には不利なのに、白目を目立たせました。その理由は、目でコミニュケーションをするためらしい、という学説があるそうです。

最近、保護者の中にも、人の目を見て話せ無い人がいます。
先生の中にも、人の目を見て話せ無い人がいます。
そういう人たちは、子どもたちのコミニュケーション能力を育成するのは難しいかもしれません。

いやいや、我が校はコミニュケーション能力について、
しっかり教育していますよ!という学校もなんこも知ってますが、
実際にはジョブズのモノマネのプレゼンの仕方を教えてるだけだったケースも多かったです。(こういう子は、予想外の質問されるとフリーズしてしまいます。)

コミニュケーション能力なんて、学校が教えるもんじゃない。教えるのは家庭や社会だ、と言い切ることも可能だと思います。
でも、だとしたら、教育は通信教育で十分かもしれません。わざわざ学校という高価な建物を作って、人を集め、一緒に行動させる必要が否定されやしないでしょうか?
(そして、通信教育で必要な学力を得られることは、十分に実証されています。)

僕は、中学校で、人と関わらない生き方を身につけてしまいました。
目立ったらやられる。関わったらやられる。だから、なるべく誰にも気がつかれ無いように生きる。
そうなってしまった背景には、学校で生じる人間関係のトラブルを、大人が適切に解決してくれなかったからかもしれないと思います。(適切な解決方法を学べなかった。)
無理やり握手させられて、お互いに謝らされて終了!
でも、次の日には、握手した手でなぐられる。
先生に見つからないように、さらに巧妙化していく。
これを経験してしまったら、「誰も助けてくれない。誰も守ってくれない。だから、生き延びるためには、弱肉強食だ!」になってしまうかもしれません。
だから、いじめられていた人が、のちに攻撃側になってしまうことも、少なくないように思います。

学校で生じる人間関係のトラブルは、大人から見たら、ささいなものだったりするかもしれません。
でも、それは、コミニュケーション能力を教えるための、ものすごくいいチャンスかもしれません。
だから、一つ一つを大切に解決していくことが大事かもしれないです。(もちろん、先生だけで解決できないことが多いからこそ、PTAがあるのです。)

なんぼ成績良くても、身体能力高くても、コミニュケーション能力が低ければ、社会で働くことは困難です。
そしてそれは、小学校や中学校という、比較的年齢が低い段階で身につけるもののように思えますので、
小学校や中学校の子たちと関わる人たちは、今まで以上に、コミニュケーション能力や、人間関係の問題解決方法について、
考えてみたり、子どもたちに伝える機会を作ったらいいかもしれません。

だから、まずは、先生と保護者が、もっと仲良くなったらいいのになあ、と思います。
はい。まずは、ここからコミニュケーション能力の練習です。