植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

暴力をともなわない論理的な指導(伝える努力)

先日、暴力防止講座に、僕の故郷の芦別市の地域おこし協力隊の方が来てくださっていました。
僕は、スポーツの世界での、指導としての暴力的な行為が大目に見られがちな風潮を受け入れるのが困難です。
数年前、小学生のバスケットボールの試合で、指導コーチがとんでもない暴言と罵声を生徒に浴びせ、子どもが倒れるほどに押し付けるのを、「いい先生だ」という保護者がいるのに驚きました。
僕が知っている限り、素晴らしい成果を上げている選手や、そのコーチは、とても穏やかです。ダメな現状を「ダメだ!」と怒鳴るのではなく、「じゃあ、こうしてみようか?」と、生徒それぞれに適した指導を、生徒と共に思考し試す姿が好きです。

僕は運動が苦手で、鉄棒の逆上がりができませんでした。
すると、全然できない僕の姿に、先生がイラつき、起こります。
「お前!何やってんだ!」=「見ての通りです。」
「なんでこんなこともできないんだ!」=「分かってればこうなりません。」
「お前はダメだ!」=「そうですか。僕には価値はありませんか・・・」

僕は、どうやったらうまくできるのかを教えてほしかったです。
でも、できないことを怒られるばかりで、そして、そのできない方法を繰り返させられました。先生は、「うで!うで!」とか「足!足!」とか、訳のわからん指導をします。そして、できないと、ため息です。
だから、結局うまくいきませんでした。

でも、ある時、違う先生が、「重心を鉄棒から離すとうまくいかないよ。重心を鉄棒にくっつけるんだ。お腹というか、腰を鉄棒から離さないようにしてごらん。」と言ってくれました。
いきなり成功です。

だから僕は、僕が何かを教える時、その子が出来なかったら、それは、僕の伝え方が適していないのだろうと考えられるようになりました。
だから、違う視点や、違う表現をして伝える努力をしています。
それが、僕のプレゼンのスタイルにつながっていると思います。
僕の喋ってることは、実は、ごく普通の誰でも知ってることです。
それがもしも、わかりやすい、と思えるなら、それは、僕に逆上がりの仕方を教えてくれた先生のおかげかもしれません。

だから僕は、スポーツの指導に関わる人が、暴力防止講座に来てくれたことが、とても嬉しかったです。
そういう人は、論理的で、人間を尊重した指導をしてくれそうな気がするからです。そうしたら、そういう人に習った人は、それを繰り返すでしょう。
それは、どんどん増え続けるはずです。

ということで、暴力防止講座に来てくれた芦別の地域おこし協力隊の人が、
下記の教室を開くそうです。
もしかしたら、とてもすてきな教室かもしれません。
芦別の子じゃなくても参加可能だそうです。
ためしてみては如何でしょう。(僕は年齢的にアウトでした。)

芦別市地域おこし協力隊