植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

自分を他人と比べて落ち込むのはもったいない。

高校生にとって、偏差値は、かなり大きな意味を持っているかもしれません。

過去に関わった子達の中には、自分の偏差値の低さで、
自分なんて・・・に陥っていました。

でも、実は、その子の偏差値は、
僕が高校生の頃の偏差値より、遥かに高かったです。

もちろん、偏差値だけではありません。
美しさ、背の高さ、体重、お金、などなど、
いろんなことで、「自分なんて・・・」に陥ってしまう人は少なくないです。

でも、自分なんて・・・・努力してもムダだ。
と思ってしまったら、努力できないです。
だから、能力は向上せず、
永久に、「自分なんて・・・」から脱出出来ません。

そういう人を見ていて気がつくのは、
必ず、自分より「優れている」と判断している人と自分を比較して、「自分なんて・・・」に陥っています。
これ、勝てっこないです。負け確定です。


逆に、自分以下と比べて、「自分は大丈夫」と思い込みたい人も少なくないです。
こういう人たちは、自分は大丈夫だから、努力しないです。
だから、能力は向上しません。でも、周りは変わっていきます。
どんどん不安になります。ますます、自分以下を探します。
これも、先の見えない話です。


僕は、会社を経営しています。
その僕が最も大事だと思ってる戦略は「他人と同じ土俵に乗らない」です。
相手が得意とする分野に、わざわざ自分から入っていくと、余計なパワーを浪費します。
自分の能力をフルパワーで発揮できる分野を、他人のそれとは、ちがう分野に持って行くのです。
真正面から、がっぷり四つに構えるのは、それで勝てる時だけです。
僕は、たいていは、こそこそと、相手が予想もしない角度から戦います。

これは、自分自身にも言えるかもしれません。
自分の能力を最も有効に活かせる分野を大事にすべきだと思います。
僕は、学校の勉強はとても苦手でした。
特に、英語が嫌いでした。
だから、好きな分野ならがんばれるかな、と思い、
高校生のときに、紀伊國屋書店で、洋書の「ミサイル」の本を見つけてきました。
そして、それを、辞書と首っ引きで読みました。
しかし、そこでおぼえた英単語は、学校のテストには一度も出ませんでした。だから、高校の成績向上には、まったく役に立ちませんでした。
学校の先生には、「そんな本を読んだってムダだ」と言われました。

でも、僕は、ミサイルの構造や歴史に詳しくなりました。
そして、そこでおぼえた英単語は、大学の授業ではどんどん出てきました。
大学の先生には「よく高校生の頃からそんな本を読んでいたね。」と褒められました。
結果として、僕は、飛行機やロケットの仕事が出来ています。
ミサイルの洋書で英語を勉強した甲斐は、ちゃんとありました。

もしも、僕が、「高校の成績という狭い価値観」だけで判断して、英語の成績が悪いことから、英語が嫌いになって、どーせ勉強してもむださ、と、英語を投げ出していたら、僕の人生は、良くない方向に変わっていたかもしれません。

自分を他人と比べるのは、情報収集としては重要です。
でも、その結果、「自分なんて・・・」と思う必要はないです。
自分の有利な分野をがんばればいいです。
そして、それは、たいてい、「好き」です。
そして、「好き」が沢山あると、相手とかぶる可能性が減ります。
「好き」が沢山あると、それは、比べられない「個性」になります。

と、僕は思っています。