植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

昨日は勉強になった!

昨日は、大阪の経営研究会でお話しさせていただけました。
 
対応してくださった方々と、講演の前に、短い時間ですが、いろんな話をしました。
 
まず気になったのは、対応してくださる方々が、ものすごく「気が利く」方々だということです。
「気が利く」なんて、上から目線な表現のようにも感じますが、他にうまい表現がわかりません。
とにかく、先を読んで対応してくださるのです。
僕が一番「一緒に仕事したい」と思うタイプです。
 
また、話がおもしろい(興味深い)し、的確です。
短時間で、ものすごい情報量です。
 
僕は、青年会議所や、中小企業家同友会などなど、
様々な経営系の勉強会に関わりがあります。
そこで、経営系の勉強会に呼ばれたときには、いくつか質問をしています。
 
まず最初の質問は、「会員は増えていますか?」です。
すると、大変おもしろい答えでした。
 
会員は増えているそうです。
でも、会員は増えた方がいいけど、無理には増やしていないそうです。
学びたい。学ぶことに時間を投資したい。という人を増やしたいのであって、頭数を増やすのは目的ではないそうです。
だから、例会の参加率は、通常で80%ほどだそうです。
そして、今回は、年に一度の100%例会の日だそうです。
 
実際、ふたを開けてみたら、メンバー129名のうち、出席者が129名。オブザーバーが60名以上。
用意された会場は、びっしり満杯です。
 
そして、その会場の人の入り方がすさまじいです。
真っ先に、前から埋まっていくのです。
もちろん、それを呼びかけるアナウンスもありますが、
どんどん前から埋まります。
そして、隙間があったら、どんどん詰まっていきます。
みなさん、ものすごく礼儀正しく、挨拶が元気です。
 
そして、電波時計の時間ぴったりに、会が始まりました。
挨拶がまたすばらしいです。
正直、すごく反省しました。
僕は今、中小企業家同友会の地区会長をしています。
例会の時には、会長挨拶があります。
僕は、その挨拶を、なるべく主張せず、軽くしていました。
なぜなら、会員全員が、尊敬できる経営者です。
だから、僕はあまりでしゃばりたくないと思っていました。
だから、青年会議所時代とは全然違う、会社の朝礼とも全然違う、当たり障りない短い挨拶をしていました。
でも、この経営研究会の会長の挨拶には、力もあり、熱意もありました。それを聞いた僕でさえ、がんばろうと思えるものでした。
 
なにせ、電波時計の精度で進行する会です。
僕も、時間超過は許されないな、とはらはらしながら話します。
僕のパソコン上の時計で、残時間8分くらいのところで、
会場のタイムキーパーの方が、「残り15分」という紙を出してくれました。
正直、ほっとしましたが、おそらく間違ってます。
少ししたら、タイムキーパーの二人が話し合っています。
間違いに気がついたのだと思います。
あきらかに、間違えた人が、困っています。
でも、自分のせいだから、最後には自分が責任を取る、という覚悟を決めたように見えました。
僕は、「時間はわかってますよ」となんぼ言いたかったか・・・
で、結果的に、僕は4分超過しました。申し訳ない。
(聞いてくださる方々の反応がいいと、追加情報をどんどん入れてしまうので、長くなる傾向があります。)
 
そのあと、岡山に移動しますと伝えてあったので、
素早く出口まで連れて行ってくださいました。
正直、名残惜しかったです。だから、そんなにあせらなくても・・・と思いました。
でも、なんとか新幹線に間に合いました。
岡山行きは最終でした。
焦ってくださるわけだわ。本当にありがたいです。
 
なんと力強く、優しい組織だろうと思いました。
こういう会がいいなあ、と思いました。
もしも、それが、僕の遠慮で実現していないのだとしたら、
大失敗だと思いました。
そして、思い出しました。
僕は青年会議所に入ってすぐに、やめようと思ったのです。
なぜなら、青年会議所の委員会の会議の進め方が、とても気に入らなかったからです。
ああでもなければ、こうでもない。意見したことは反映されない。なんとも煮え切らない会議を「時間の無駄」と感じたのです。
ところが、まもなくもう一人、新入会員が来ました。
すてきな女性でした。
しかし、そのすてきな彼女が、まあ、先輩方にがんがん食いつきます。おかしいことはおかしい!といいます。
すると、会議が良い方向に動き始めました。
そのとき、僕は彼女にそっと「この先輩方は知り合いなの?」と質問しました。帰ってきた答えは、「初対面」でした。
そこで、僕は「遠慮」をやめることにしました。そうしたら、青年会議所が「学べる」場所になりました。
おそらく、僕も遠慮してました。先輩も遠慮してました。それが、時間を無駄にする原因でした。
 
せっかく、時間をかけて、お金をかけて、集まる勉強会では、「遠慮」をしてはならないのだと思います。
遠慮は、ディスカッションの最大の敵かもしれません。
そういう意味では、青年会議所の「理事長が毎年替わる」というシステムは、「遠慮」を「役割」で凌駕するのかもしれません。
 
いま、僕は中小企業家同友会を、もっとよくしたいと思っています。そして、赤平で、新しい会議体も作ろうと思っています。
そのために、今回の経営研究会の方々が教えてくださったことが、ものすごく役に立ちそうです。
 
手段と目的を間違えたら悲劇です。
様々な経営勉強会は、それを第一にうたっています。
利益や売り上げも大事だけど、よりよい社会を作ることが目的だ、というのが、たいていの経営勉強会の信条です。
だとしたら、僕らは、
学びたい。学ぶことに時間を投資したい。という人を増やす努力をすべきです。
頭数を増やすのは、手段です。その手段を目的と間違えてしまうと、おそらくは、会の信条さえも危うくなるでしょう。
 
遠慮をなくしていくこと。
学びたい。学ぶことに時間を投資したい。という人を増やすこと。
この2点に力を入れて、よりよい勉強会にしていきたいと思います。