植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

道に間違えたら、ちがう道を行けばいい。

すごいがんばったんです!
でもダメだったんです!
努力したんです!
これからどうしたらいいんですか!
 
 
という人は、少なくないです。よく出会います。
 
どうするも、こうするも、
「ちがう方法を考える」がだいじだと思います。
 
努力が無駄に感じることは、よくあります。
努力とは、目標に到達するための道のようなものかもしれません。
ようするに、道を間違えた、ということです。
道に迷う、というのもよくあることです。
僕は、人間が少ない方へ、少ない方へ歩く習性があります。
だから、都会に行くと、かなりの確率で道に迷います。
それを救ってくれるのは、スマホの地図や、乗り換え案内ですね。
便利な時代になったものです。
 
道を間違えたかな?と思ったら、
ちがう道にすればいいだけです。
もちろん、歩んできた距離が長いほど、
え〜、こんなに歩いてきたのに・・・?
またやり直すの・・・?
と、がっかりしてしまうこともあります。
でも、がっかりしていても、「迷ってる」状態には変わりは無いです。
 
「生きてこそ」という映画があります。
南米の高山に墜落してしまった飛行機の生存者のお話しです。
彼らは、酷寒の中で、必死に生き延びる努力をします。
「捜索中」を伝えるラジオと、時々遠くに見える捜索の飛行機が
彼らの希望だったそうです。
ところがある日のラジオは、絶望の放送になりました。
それは、「生存の見込みがないので、捜索を打ち切ります。」というものでした。
生存者は「こんなに苦労して生き延びてきたのに無駄だった!」と絶望します。
しかし、一人がうれしそうに言うのです。
「これで、安心してこちらから動けるぞ!」
 
山で遭難したときは、あんまり動かないで、見つけてもらう努力をした方がよい結果になることが多いそうです。
だから彼らは、「捜索」されているかぎり「動かなかった」のです。
でも、捜索が打ち切られたからこそ、動けるのです。
 
でも、現在地がどこかもわからないのです。
あたりに散らばる残骸をしらべ、位置を割り出そうとします。
そして、仮説を立て、元気なものを選んで、出発します。
しかし、仮説は間違っていました。
高山で、極低温の真っ白い世界を彼らは旅します。
そして、ついに、この尾根の向こうに、緑の土地が広がってる!と思って到達した尾根の向こうには、見渡す限りの白銀の高山が連なっていたのです。
それでも彼らは絶望せず、歩き続け、ついに、麓に到達するのです。そして、救助活動が行われ、残りの生存者も救出されました。
僕は、この映画がとても好きです。
途中、何度も泣きます。
こんなにがんばってるのに!こんなにがんばってるのに!
なんでこんなむごい目にあうの!?と、泣きます。
でも、その中に出てくる、絶望しない人たちに感動します。
彼らは、望みを絶たない人たちです。
 
絶望は、周囲から与えられるものではありません。
絶望は、本人が、望みを絶つことによって生じます。
「もうだめだ」と思うのは、実は自分です。
でも、本当は、「まだできることがある」のです。
 
「あんたならできる」
サマーウォーズというアニメ映画の栄(さかえ)おばあちゃんの、優しくて力強いこの台詞に、僕は背中を押されます。元気をもらえます。
でも、「もうだめだ」「自分なんて」に心をとらわれたら、
この素晴らしい台詞は重荷に感じるかもしれません。
でも、本当は、「まだできることがある」のです。
 
成功するための秘訣は、
成功するまでやることです。
 
いきなりエベレスト登ろうとしても、不可能です。
だから、国内の山で訓練し、体を鍛え、経験を積むのです。
「俺はエベレストを登る!」と宣言したら、
まずは「高尾山」から登ればいいです。
それは、逃げでも負けでもありません。
エベレストの頂上につながる一歩です。
 
いきなりロケット作る!と言っても、困難です。
だから、まずはペットボトルロケット作ればいいです。
次に、モデルロケット作ればいいです。
JAXAに入社させてもらえたらロケット作れる、というものではありません。
そして、JAXAに入社できなかったからもうだめだ!じゃないです。
道は一本じゃない。
 
努力は報われます。
たとえ道に迷ったとしても、
当初思っていたゴールに着かなかったとしても、
歩いた行為が、体を鍛え、経験になり、人脈を広げ、知識を増やします。
その向上した能力で、ちがう道を歩けばいいです。
 
僕は、目標に向かうときには、平易な道と、きつい道があるならば、きつい道からいったほうがいいと思っています。
なぜなら、きつい道を行くだけで、能力が向上するからです。
そして、きつい道がつらすぎたときには、平易な道にシフトダウンできます。
そして、きつい道で鍛えられた体は、平易な道を走って行けるでしょう。
でも、最初に平易な道を選んだら、もうシフトダウンできません。
 
道を間違えたくらいで、
道に迷ったくらいで、
いままでしてきた努力が無駄だった!と絶望し、
歩くのをやめてしまったら、もうそこから前には進めないです。
 
足をくじけば、膝で這い
指をくじけば、肘で這い
なみだのつぶだけたくましく
 
これは、あしたのジョーの映画の曲「美しき狼たち」の歌詞の一部です。
この歌に、どんだけ励まされたか。
 
「まだできることがあるかぎり、負けじゃない!」
です。