植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

未来を予測するには、学力ではなく、自主的な思考力が必要です。

最近、びっくりするぐらい、先のことを考えられない人が増えている気がします。
 
そういう人は、「すべきことを、すべて指示されてきた人達」です。
 
考える時間を与えられず、とにかく、びっしり、
与えられた課題や、宿題や、運動を、ひたすらしてきた人たちは、
思考そのものが困難になってしまうことがあります。
 
社会人でも、定年退職後に燃え尽きてしまう人が問題になってますが、小学校、中学校、高校と、ひたすら忙しく課題をやってきた人達は、高校を卒業したあたりで、バーンアウトしてしまうことがあります。
 
おどろくほど、ロボットです。
相手がいて、それに反応することはできます。
でも、自分一人だと、固まってしまう人達です。
そういう人は、これからの社会では、ロボット以下の仕事しかできないかもしれません。
 
それを防ぐためには、「自主的に行動する時間」を
大切にすることです。
 
しかし、かつて、中学校が校内暴力で荒れたときに、
子ども達の自由と、権利と、自信と、思考と、時間を奪うことで、
学校を安定させることができたと思い込んでいる学校は、
いまだにそれをやってしまいます。
そういう学校は、子ども達の社会性や将来性ではなく、
「学校で問題が起きないこと」が目標になっています。
そういう学校では、未来を予測できない人が育成される可能性が高いです。
また、そういう学校で学んでしまった保護者も、自分の子どもを強制的に管理して育てようとして、未来を予測できない人を育成します。
 
人を殺したらどうなるのか?
人を刺したらどうなるのか?
ちょっと考えたら、リスクの方が大きすぎると、すぐに理解できるはずのことができない人。
そういう人は、今日も、管理型の学校の影響で、先生によって、保護者によって、育成されている可能性があります。
 
よく、植松電機には大手企業の研究開発部門の方々が来てくださいます。
彼らはある質問を持ってきます。
それは「どうやったら、一般の人が、研究開発できるようになるんですか?」です。
僕の答えは「放置です。」です。
自分で考えて、自分で試せる環境が、研究開発できる人を育成すると、僕は実績を通して信じています。
だから、植松電機のロケット体験教室では、ロケットの作り方を教えないのです。
 
ききわけがよくて、大人にとって都合のよい子は、将来、とってもまずいことをやらかす可能性があるかも。
でも最近、学力向上の名のもとに、小学校でも、中学校でも、ぎゅーぎゅー詰めに勉強をしています。宿題もてんこ盛りです。これは、10年後に、きっとまずいことになるような気がします。
 
ちなみに、子ども達の最終受け皿であるはずの企業は、
学力なんて気にしてないよ。
学力という指標が子どもの人間性や社会性を評価する基準ではないのに、なぜそれに血道をあげるのか、僕には理解不能です。
うそ。理解できます。だって、点数付けるのって、評価を思考しなくてすむから楽ちんなんだもん。
 
子ども達の、自由な時間と、思考力を奪わないで欲しいと、本当に思います。