植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

させられる努力と、してしまう努力。

中学生や高校生の頃、
学校の先生は、生徒の目の前に「にんじん」をぶら下げて、走らせようとしていたように感じました。
でも、残念ながら、僕は、その「にんじん」に喜びを感じませんでした。
だから、先生が期待する走り方をしていなかったと思います。
成績も良くならない。部活で成果を上げることもない。
 
でも僕は、自分で勝手に走っていました。
自転車で数十キロ離れた町の本屋とプラモ屋に行き、
一人でコンパスと地図をもって山にはいりこみ、
飛行機やロケットの歴史を調べ、
飛行機の設計を学び、パソコンでプログラムを作り・・・
それは、一つも先生が求める「成果」ではありませんでした。
だから、「そんなことやってるから成績が悪いんだ!余計なことやってないで、勉強しろ!」と怒られました。
でも、好きだからやめませんでした。
 
で、結局、僕は、今も走っています。
やりたいことが、どんどん増えます。
 
指示されたことを、指示されたとおりにやったら、成績が良くなって褒められました。
褒められてうれしいから、もっとがんばりました。
でも、卒業して、大学に入って、指示がなくなったら、何をしていいのかわからないんです。成績がどんどん落ちるんです。
というメールが、結構沢山届きます。
悲しいです。
 
なにもしないよりは、
なにかをしたほうがいいです。
でも、命令して何かをさせるのではなく、
なぜなにもしないのかを調べて、
何かしたくなるようにするほうがいいと思います。
 
でもいまは、自分の好きなことさえする時間がないほど、
子ども達はぎゅうぎゅうづめです。
 
にんじんをぶら下げて走らせると、
成績とか順位とかの、わかりやすい成果は上がりやすいかもしれないけど、
もっと大事な「思考力」「主体性」の成長を見落とすかもしれません。