植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

現状維持ではなく、よりよくの追求

現在は函館。
新幹線が出来てから、はじめて函館に泊まりました。
函館はいま、急激な変化に、施設や設備が追いついていない状態のように見えます。
でも、これを乗り越えたあとの函館がとても楽しみです。
 
今日はこれから、江差の中学校にいきます。
函館から江差までは、自動車で約1.5hらしいので、
雪道でもあるので、気を付けて行ってきます。
それが終わったら、返す刀で、福岡です。
羽田乗り換えだけど、東京は雪は大丈夫かな。
 
今年の講演は、今日を含めて、あと17回です。
そのうち、大人向けが4回です。
今年は、大人向けを減らして、学校向けをふやそうと思いましたが、
おおよそ、その方向にシフト出来てると思います。
 
今年一年だけでも、世の中がかなり変化してるのを
感じてる人もいるはずです。
自動車の自動運転も、普通にコマーシャルでも流れるようになってきました。
でも、自動運転は、あと30年はかかる、という人もいます。
僕は、大事なのは、「何年後」という数字では無く、
まだまだだから、いまは対処しなくていい、と思うのか、
いずれなるから、いまから対処するのか?
の違いだろうと思っています。
変化は、自分がいままで積み重ねてきたことを無価値にしてしまう可能性があります。
だから、変化は自分に不利益だからと、目をそらしたり、無視したりする人も少なくないです。
でも、変化は、自分のやってきたことを、本当に無価値にするでしょうか?
 
僕の父さんは、「俺はいままで、一つの仕事しかしてこなかった」と明言します。
でも、最初は、炭鉱で使うモーターの修理。次に、自動車の電装品修理。次に、パワーショベルなどの油圧ホースの修理。次に、リサイクル用電磁石・・・と、その仕事の内容は変化し続けています。
でも、そこには連綿とつながるものがあります。
それは「よりよくの追求」です。
 
僕は、職業は沢山あるけど、
人間の本当の仕事は一つだろうと思っています。
それは、「よりよくの追求」です。
それは、職業が変わろうが、なにがあろうが、自分の体に蓄積されるものだと思います。
僕は、その価値を知っているから、植松電機の仕事はどんどん広がります。そしてそれが、植松電機の生存生を高めています。
なにしろ、生物は生き残るために多様化したのです。
一つに依存すると、その一つがくじけたら終わりです。
僕はそれをリーマンショックの時に学びました。
だから僕は、変化をおそれないです。むしろ、同じ毎日が繰り返される方が怖いです。
 
ネットで探すと、自動化によって今後10年以内に無くなる仕事、というリストがぼんぼん見つかります。
そのリストに、自分の職種があると、がっかりする人もいるかもしれません。
でも、永久に続く仕事はないです。どんな仕事も変化します。
同じように、資格は、一生を保障するものではありません。
価値を失う資格は沢山あります。
いままでは、それがあんまり目立たなかっただけです。
 
僕の古里は、石炭を掘らなくなりました。
他にも、昔盛んだったけど、時代の変化で、衰退した産業や仕事は沢山あります。
以前、関市に行ったときには、「昔は良かったんですよ。でも、徳川幕府になってから・・・」という、超ロングタームの話を聞いて感動しましたが、遙か昔から、時代は変化し続けています。
その変化は、まるで天候や自然のようなものかもしれません。
大事なのは、変化に抗って現状維持する努力では無く、
その変化に負けない努力だと思います。
 
もうじき、受験が大きな変化をします。
いまの中学生高校生は、もろにそれにあたります。
保護者や先生が、この時代の変化に気がつかなかったり、
もしくは、自分に不利益だからと目をそらしたりしていると、
子ども達は時代の変化に対応出来なくなります。
 
だから僕は、子ども達に話を聞いて欲しいです。
本当は、保護者や大人に聞いて欲しい気もするけど、
でも、そもそも、希望して講演会に参加する人は、大丈夫な人達です。
だから学校です。
 
先日は、富山で、ロータリークラブの方達が、
市内の5つの学校の6年生を集めてくださいました。
本当にありがたいです。
それを実現するための苦労を考えると、本当に頭が下がります。
 
たいていの場合、実現までの困難さと成果は比例します。
安易に実現する事で得られる成果は少ないです。
その困難への挑戦こそが「よりよくの追求」のような気もします。
 
来年は、もっと学校で話せたらいいなと思います。
ただ、学校はあまりにも数が多く、僕は一人なので、
一度に聞いてくれる数を増やせるよう努力していきたいと思います。