植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

僕は、お金はモチベーションにならないと思う。

会社を興した頃、車を買おうと思ったとき、
ある自動車メーカーの営業の方から、
「儲かったのなら、大きな家を建てたらいい。高価な車に乗ったらいい。それは、ほかの人のモチベーションになるんです。」と言われました。
 
そうかなあ・・・と思いました。
 
そのとき、僕が選んだのは、エスティマでした。
選んだ基準は、
「車内が広い。搭載スペースが大きい。」
「北米の安全性確認試験で一位」だったからです。
 
その営業の人のおすすめは、ランクルのシグナスというものでした。
たしかに立派で豪華で乗り心地も良かったけど、
車内が狭かったので選びませんでした。
 
 
時々、「金持ちになる!」が「夢」だという人がいます。
でも、お金があったって、使い道が無いと意味が無いです。
がきでかのこまわり君のように、お金を部屋に敷き詰めて、
その上で転げ回る、というのが夢なら、すごく意味がありますが、
なかなかそういう人はいないような気がします。
(意外とたくさんいたりして・・・)
 
僕が欲しいものの多くは、売っていません。
だから、いくらお金があっても買えません。
無い物を、誰かに作ってもらおうとすると、
それはもう、べらぼうに高価になります。
だから僕は、自分で作った方がいい、と思います。
だから僕にとっては、お金はモチベーションにならないです。
 
お金を払ってしてもらうことしか知らないと、
お金が欲しくなります。
もしかしたら、お金がモチベーションになる人は、
「お金を払ってしてもらう」ことしか知らないのかも。
でも、お金を払ってしてもらうことは、
毎回お金を払わないといけません。
 
実は、お金を払ってしてもらうことは、
お金を払って、誰かがしてくれることです。
誰かが出来ることならば、自分でも出来るはず。
そのときには、お金よりも、能力が欲しくなります。
 
能力の中には、資本も含まれます。
道具だとか、材料だとか、建物だとか。
そして、それを、自分で作るのと、買うのと、どっちが安いかを考える必要があります。
たとえば、ねじを一本一本自分で作るのは非効率ですね。
ねじは、箱でごっそり安く買えます。
エアガンに使うBB弾を、自分で作ろうとする人もいないと思います。あれは、買った方が安いです。
 
たとえば、僕は3Dプリンターが欲しいと思っています。
でも、現段階では、3Dプリンターは、毎年どんどん性能が改善されています。
投資した金額を償却できる時間よりも、製品改良のサイクルが短い場合には、その機械を買うべきでは無いです。
いまなら、DMMのサービスを利用した方が安価で便利です。
 
大事なのは、自分の能力と時間は、お金とイコールだということです。それらを、いかに効率的に使うのかです。
 
僕は、同じ事を繰り返す場合も、毎回、工夫します。
どうやったら、もっと良くなるかな、はやくなるかな、を、
さっきまでの自分と戦います。
そうすると、必ず成長できます。
その成長率は、金利なんて目じゃないです。
自分が最高の投資先だということに気がついたら、
学びたくなるはずです。
 
おそらく、「お金持ちになりたい」人は、その向こう側に、
もっと本当の夢があるはずです。
そして、それを叶えるためには、お金以外の方法もあると言う事に気がつけるはずです。
 
このような、手段と目的を間違えてしまう現象は、
進路指導で身に付くのかも・・・と思います。
なぜなら、学歴も、進学も、手段の一つに過ぎないのに、
それしか認められず、そればかりを追いかけさせられるからです。
中学生、高校生の段階で、もっと広い視野を持てるような教育をしなければいけない気がします。