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植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

頑張れ新人さん!

今日は、赤坂で講演をさせていただきました。
ある会社の、新人研修の一環です。
 
きりっとした、初々しい新人さんが一杯いました。
みんな、真剣に話を聞いてくれました。
 
社会に出たら、いろんなつらいことがあります。
なにがつらいって、
何にも知らない。何にもできない。自分の今までの経験も実績も通用しない。
これは、きっと、ものすごくつらいです。
自己存在が揺らいでしまい、
自分は何の役にも立てていない・・・ことが、
ストレスになるでしょう。
 
でもね、そんなの当たり前です。
会社は、それを理解して雇っています。
だから、大事なのは、過去の自分の知識と経験に頼るのではなく、
新しい環境で、いかに迅速に、新しい知識と経験を積み重ねるかです。
 
知ってるふり。わかってるふり。をすればするほど、知識と経験を得るチャンスを失います。
知らんものは知らん。わからんものは、わからん。この覚悟を、先輩にしっかり伝える事です。
 
僕は、名古屋の仕事を辞めて、実家に帰って、家事手伝いの身分から再スタートしました。
うちの父さんは、技術者としては立派な技能を持っていますが、人を雇えない人でした。
父さんは、人を育てることが不可能です。その父さんに教えを請うことになりました。
 
最悪でした。
自動車から外した複雑な電気機械を、分解して整備するのですが、
「いいか、みてれよ。一度しかやらないからな!」と言うなり、
いつもの倍の速度で分解し始めます。なんの説明もないです。
そして、分解し終わってから「どうだ!」です。
何それ、自慢!?
 
だから、しょうがないから、自分で何度も分解して、
組み直して、を繰り返しました。
また、父さんは、外してきた電気機械を見ただけで、
どこが壊れているのかがわかりました。
僕にはわからないです。
どうしてわかるのかを聞いても、ちゃんと教えてくれません。
長年の、経験と勘だそうです。
そんなこと言われても困ります。
だから僕は、すべての電気機械の故障のパターンを記録に残しました。自分のノートを作ったのです。
 
やがて、1年程度で、僕も、見ただけで故障がわかるようになりました。
なんてことはないです。情報の蓄積です。頭に蓄積するのでは、消えることがあるから、
ノートに記録しただけです。それだけで、数十年分の知恵と経験に匹敵できました。
僕は、1994年に北海道に帰り、1999年にマグネットの会社を作りますが、
この5年間の、後半3年間は、僕がすべての修理をしていたのです。
 
でも、父さんみたいな人はいます。
新人を教育しなければいけないのに、自分の自慢をしてしまう人たちです。
そういう人達は、新人が自分以上になることを恐れます。
だから、威張ります。
能力では抜かれるので、権力や階級、
先輩と言う事だけで威張ります。
(こういう人は、儒教を悪用します。年上な俺を敬え!です。)
その教え方(自慢)に腹を立てて、投げ出したら、
相手の思うつぼです。
 
でも、そういう人は、もうじき全滅します。
なぜなら、そういう人は、会社を衰退させるからです。
人口が減ってる時代に、先輩が後輩を自分以下にしたら、会社がダメになるに決まってるじゃないですか。
これから大事なのは、後輩を自分以上の場所に押し上げる先輩です。
もちろん、それは、経営者にも言えることです。
 
先日、あるニュースで、レギュラーの番組をいくつももってる大御所の芸人の方が、
最近の若手芸人の仕事がかわいそうだ、と、温情あふれるコメントをされていましたが、
僕は、大御所の方は、もう十分食べていけるでしょうから、場所を譲ったらいいのでは?と、
ちょっと思ってしまいました。
年齢制限が無い世界では、代替わりのサイクルが長すぎます。
経営者も同じです。いつまでも「俺がいなければ・・・」という責任感で踏ん張ってると、
後に続く人もどんどん高齢化して、結局、後を継げなくなります。
 
成長できる後輩を育てるためには、成長できる先輩が必要です。
先輩が一つ所にとどまっていたら、後輩は成長できるわけないです。
 
おそらく、4月になったから、日本中で新入社員のひとが頑張ってるはずです。
できない自分を責めないで。知らない自分を責めないで。そんなの当たり前です。
とにかく、情報を蓄積すれば大丈夫です。
メモをとったり、録音したり、写真撮ったり、いろんなことができます。
新人という時間を、大事にするといいと思います。
 
なお、あまりにもひどい先輩に出会ってしまった場合は、
がまんしないで、会話ややりとりを録音したらいいです。
それは、いざというときに、自分を守ってくれる可能性があります。
いまどき、暴言や罵倒で教育をする人は、
まともな会社ならいません。
ましてや、「どんな教育受けてきたんだ」
「親の顔が見てみたい」などと、
本人に関係ないことで文句を言う人間は、
まともな教育者ではありません。
ただの、自分以下を作りたい人です。
そんな人は、会社に取って害悪ですから、
速やかに、さらに上司に状況を報告して、
改善を図るべきです。
それでもだめなら、違う会社を探すのもありです。
大切なのは、自分の人生と、自分の命です。