植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

「普通がいい」という人達が増えている。その原因は「ちがう」を攻撃する人達かも。

最近、「ちがう」を恐れる子が増えています。
彼らは、「自分は、普通でいいんです。普通になりたいんです。」といいます。
そういう子達は、優しい子達です。
 
そう思うのはなぜかな?
それは、「ちがう」を否定されたり、からかわれたりされたからでは?
もしくは、そういうシーンを見たからでは?
 
第二次世界大戦後、50万人以上の日本の軍人が、
ソビエトという国の捕虜になり、
厳しい環境で厳しい労働をさせられます。
それでも、日本に返してもらえる人達もいました。
それは、「ソビエトという国が教えることに賛同する人」です。
日本に帰りたい人達は、みんなそれになりたいです。
そのための手っ取り早くて確実な方法は、
「賛同しない人」を作り出し攻撃することです。
誰それかまわず、あることないこと言い立てて、
ソビエトの教えに反する人間だ、と仕立て上げるのです。
そうすれば、自分は、「ソビエトに反対する人間と戦う、ソビエトの仲間」に
なれるからです。
 
僕は、これは、今の学校で生じる、いじめの根幹に似てる感じがするなと思います。
 
「ちがう」が攻撃される。
それを見た人達は、自分は攻撃されたくないから、
なるべく、目立たず、自分の意見を言わず、みんなのすることをする。
そして、「ちがう」を攻撃する人がいたら、それに乗っかる。
「ちがう」を探して、作り出す。
直接攻撃しなくても、ちょっと噂を流すだけでいい。誰かが攻撃してくれる。
 
こんな学校、行きたくないね。
 
「ちがう」を攻撃するのは、「自信が無い人」です。
「自信」を失う原因には、様々なものがありますが、
僕は、最もわかりにくく根が深いのが「比べる自信」だと思っています。
成績だとか、偏差値だとか、順位だとかを、「自信」だと思い込んでる大人がいます。
そういう人は、「より立派な家」「より高価な車」など「人からどう見られるか」が自己存在になっています。
そういう大人は、子どもにも、比べる自信を強要します。
なぜなら、子どものレベルが、そういう大人の「比べる自信」になるからです。
でも、比べる自信を維持するためには、自分以下が必要になります。
それが「ちがう」を攻撃する原因になってる気がします。
 
残念ながら、世の中の多くのビジネスは、この「比べる自信」をあおります。
なぜなら、こんなものに左右される人間は、簡単にブームに乗ってくれるからです。
でも、それがまたさらに、自信の無い人間を増やしてしまいます。
 
いじめなどの原因になるのは「ちがうはおかしい」「ちがうはへん」という考え方です。
でもね、生物は、「ちがう」努力をして生き延びてきたのです。
単一の種は、単一の原因で全滅する可能性があるからです。
そのために、僕らは、男女で交配して子孫を作ります。
だからこそ、「ちがうはおかしい」「ちがうはへん」という考え方は、生物の生存に相反する考え方と言えるかも。
比べなくていい本当の自信を増やすために、最も大事なことは、
「ちがうはすてき」という考え方です。
そういう考えの人が増えたら、もっと人は、自分らしく生きられるのだと思います。