植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

歴史の意味。

僕は、世界史が大好きでした。
そのきっかけは、おそらく、ベン・ハーという映画です。
そこにローマの兵士が出てきました。その鎧はかっこよかったです。

で、何となく、ギリシア神話に興味を持ちます。
そこに登場する重装歩兵は、まるでロボットのようでした。かっこよかったです。
だから、最初に読んだのは、トロイ戦記です。アキレスに憧れます。
そして、アキレスの愛馬の、バリオスとクサントスも好きになります。
自動的に、シュリーマンに興味を持ちます。考古学に興味がわきます。

そんなときに、トマス・ブルフィンチさんの、ギリシア神話という本に出会います。
単行本ですが、上下に段組で、厚さは3センチくらいかな。
今は読めないです。老眼で。
そこには、ギリシア神話だけではない、様々な神話が収録されていました。
北欧の神話も書かれていました。
そこに共通していたのは、紀元前から、人類は、想像以上に広い範囲で交易していた、
ということです。

だから、高校で、世界史、という授業に接したときはうれしかったです。
でも、世界史の先生は、フランス革命が大好きな人で、
フランス革命だけは、異常な熱意で教えてくれました。
それはそれでおもしろかったけど、かなり偏っていました。
だから勝手に勉強しました。でも僕が夢中になったのは、シュメール・アッカド文明でした。
で、共通一次試験の世界史を選択しましたが、そこにでた問題は、ベトナム王朝。
まったくしらない。
だから、自信があった世界史で、30点しかとれませんでした。
共通一次試験が生まれてから、そんなに時間がたっていませんでしたが、
過去問題との重複を避けようとおもったら、超重箱の隅をつつくレベルの問題に
なってしまったようです。

でも僕は、いまだに世界史が大好きです。
そこには、人間と人間の関わりが書かれています。
それは、会社を経営する上でも、対人関係でも、すごく役にたっています。
とくに、しんどいとき、つらいとき、「あの人ならどうするかな?」「あの人ならこうするだろう」が、僕を支えます。
歴史上の人達の、人としての勇気ある振る舞いや、素晴らしい判断が、僕を支えます。

で、いま、歴史で暗記する文言を減らそうという動きがあるそうです。
坂本竜馬が消えるらしいってことで、波紋がひろがっています。
なんでも、坂本竜馬は、たいしたことしてないらしいです。
そらそうだ。個人だもん。
でも、それを言ったら、たいていの人はたいしたことできていません。
大きな組織を動かせる立場だったりした人たちが、歴史に名を残しがちです。

歴史は、情報と同時に、現在進行形です。
現在行動している人達は、歴史の影響を受けています。
従来のような、歴史上の人が何年に何をしたか、を暗記するだけでは、有効とはいえません。
大事なのは、その人が、どういう社会や人間関係において、なにを、なぜ、どうしたのか?という、判断や思考と、その結果をまとめることで、
それは、現在を生きる僕らの、思考や行動のための情報になります。

僕は、神話から歴史を好きになりました。
神話ですよ。空想。フィクション。
でも、歴史を学ぶ気になりました。
そしてその知識が、僕の経営者の業務をすごく助けています。

学問とは、社会の問題を解決するために、人類が命をかけて積み重ねてきた記録です。
どうか、学問を、生きていくために役にたつ情報にしてほしいです。