植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

やられたら、やりかえせ!という言葉の恐ろしさ。

やられたら、やりかえせ!
 
と親から教えられた人は、けっこういるかも。
でも、この言葉のおかげで、苦しんでいる人が、たくさんいます。
 
やりかえしたくない人もいるんです。
暴力に、暴力で立ち向かいたくない人もいるんです。
 
そういう人は、
やりかえせない自分を責めてしまうことがあります。
無理して、やり返して、やがて、暴力じゃないと自分を維持できなくなる人もいます。
それを大人になってから、悔いて、自分を責めてしまう人もいます。
 
暴力はいけないことだ。と教えながらも、
暴力には、暴力で立ち向かえ!という指示は、矛盾しています。
昔のSFでは、矛盾するコマンドを与えられたロボットが異常行動を起こすなんてのがあったような気がしますが、
人間も矛盾したコマンドが与えられると、
正しい判断ができなくなる可能性が高いです。
 
やられたら、なぜそうなったのかを考えたほうがいいです。
相手は、なぜそうしたのかな?
自分は、なぜそうされたのかな?
 
そのときに重要なのは、「憶測」で思考をやめないことです。
相手は自分のことを嫌っているんだろう!
と思ったら、「なぜ嫌うのかな?」「なにが嫌なのかな?」は考えた方がいいです。
その上で、「いつからかな?」「なにがきっかけかな?」も考えます。
おおよその目安がついたら、今度は、確かめます。
でも、直に聞くのは不安です。だから、共通の知り合いに相談するのがいいかも。
「〇○と、いまいちうまくいっていないんだけど、なんとかよくしたいんだけど、
相手に直接聞くのが不安だから、どうすればよりよくなるか、ちょっとだけ聞いてもらえないかな?」
てなかんじで。
 
このときに重要なのは、「自分は状態を良くしたい」という目的を持つことです。
自分を嫌う相手を、やっつけたい。負かしたい。見返したい。言い負かしたい。と思ったら、
それは、「やられたら、やりかえせ!」になってしまいます。
 
もちろん、まるで話が通じない相手もいます。
人が苦しんだり、怯えたりすることで、快感をおぼえてしまう人もいます。
相手を見下すことで、自分の自信をたもってる人もいます。
そういう人とは、関係を修復するのは困難です。
でも、そういう人を見極めるのは簡単です。
そういう人は、自分より強い人には媚びへつらいます。
そういう人は、自分より弱い人しか攻撃しないです。
そういう人とは、よいおつきあいをするのは困難なので、距離を保つのも大事かもしれません。
 
やられたら、やりかえせ!は、昔からよく耳にする言葉です。
でも、これは本当は危険な言葉です。
復讐の連鎖を推奨する言葉です。
それが、いい結果を招かないことを知ってる人は沢山いるでしょう。
だから、安易にこの言葉を使わない方がいいです。
子ども達は、親の言葉を、思った以上に真剣に受け止めるのですから。
一生、親の言葉の影響を受けることもあるのですから。
いい言葉も。悪い言葉も。