植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

仕事って。

キャリア教育が行われるようになって久しいですが、
僕は、子ども達の感想文を読むたびに、
学校でどのようなキャリア教育が行われているのか、
とても疑問を感じています。

子ども達の中には、
「夢がありません」
「夢がまだはっきりとしていません」
「いま夢を探している最中です。」
という子が多いです。

ちょっと進むと、
「夢があるけど、いまの成績では学校に受かりません。」
となります。

ん?夢を叶えるためには、学校に行かないといけないの?

だとしたら、社会人になってからどうするの?

働いちゃったら、そのあと、夢ってどうなるの?


どうも、現在のキャリア教育では
「夢」=「仕事」と教えてしまっているのではないでしょうか?
そして、「仕事」につくためには「資格」が必要で
「資格」のためには、「学歴」が必要だから、学校を選んで、「受験勉強」しなさい。
という流れで、
結局は、仕事ではなく、その仕事に就くために必要と思われる学校に入るための受験勉強が大事です。で終わっているケースはないでしょうか。

でも、就職した会社が、永久に続くとも限りません。
社会人になってからだって、仕事がかわることはよくあります。
だから、進学と就職をごっちゃにしたようなキャリア教育は、
あまり適切とは思えません。

さらには
「仕事」=「雇用契約
と教えてしまっていないでしょうか?

だとしたら、
「夢」=「仕事」=「雇用契約」=「一個」
になってしまいます。
特に、公務員の先生は、副業をしてはなりませんから、
仕事は一個しかしちゃいけない、と思い込んでいる人が
すくなくないと思います。

でも、おそらく、民間企業の人達は、
「仕事」=「人を助けること」
だと認識している人がすくなくないと思います。
とにかく、なんでも、人を助けることをすれば、
それが仕事になっていく、ということは、
社会を相手に仕事をしてみたらよくわかります。

僕の会社にきてくれる営業の方達の中にも、
「こんなの欲しいんだよなあ・・・」と言うだけで、
その会社が扱っている製品じゃなくても探し出して来てくれて、
しかも、つかってる人の話しまで教えてくれて、
最終的には、その製品を新しく扱うようになってしまったりする人がいます。
その人は、まちがいなく、余計なことをしています。
金にならないことをしています。
それは仕事ではないです。でも、結果的に仕事になり、
会社を発展させます。
僕は、そういう仕事をする人を信頼します。
そういう人は、「仕事」=「人を助けること」と
認識しているはずです。

多くの子ども達が、「夢」=「仕事」と教えられているかもしれません。
でも彼らは、まだ学生なので、「仕事」に関する情報が少なすぎて、
「仕事」のイメージが持てません。
だから、本当は、彼らの心中は、
「夢がありません」ではなく
「どんな仕事をしていいのかわかりません。」
「やってみたいと思える仕事がわかりません。」
という状態なのかもしれません。

キャリア教育の最中に、自分の夢をかけ、と言われて、
「家族の笑顔です」
「家族の幸せです」
なんて書いたら、
「いやいや、そうじゃなくてさ、ちゃんと職業のことを書きなさい」と
指導されるかもしれません。
だけどね、「家族の幸せ」「家族の笑顔」は、
立派な夢だと思います。
その夢を叶えるための手段の一つとして「仕事」があるのではないでしょうか?

おまけに、「仕事」が完璧な手段とは限りません。
仕事が忙しすぎて、結局、家族の笑顔につながっていない、
というケースも少なくないです。

夢と、仕事は、本当は違うものです。
それを、イコールにしてしまうから、
夢や仕事に関する考え方が歪むのではないかと思います。

僕は、
夢とは、大好きなことや、やってみたいこと。
仕事とは、社会や人のために役に立つこと。
と思っています。

そう考えたら、夢はいくつでも思いつくはずです。
仕事だって、なんぼでもあります。
もちろん、お金にならない仕事もあります。
でも、やったほうが社会や人のためになるならば、したらいいです。
お金にならないことは、仕事じゃない?してはならない?
そういう考えがあると、研究開発なんてできなくなります。

カーネギーさんも言ってるじゃないですか。
社会に貢献する仕事をしていれば、やがて対価がついてくる。って。

とくに、新しいサービスを開発する時は、
最初から金になるわけないです。
だって、だれもしらないんだもん。
それを知ってもらうための努力の間は、金になりません。
でも、それをやらないと、新しいサービスは、仕事として成長しません。


もはや、素直で真面目は、ロボットの仕事です。
仕事は、「言われたことを言われたとおりにやってお金をもらう」ためだけのものではありません。
仕事は、「一定時間働いたら、時間相当のお金をもらうこと」とも限りません。

なぜ働くのか。の答えが、「お金を払うために、お金を得るため」ではなく、
「社会や人の役に立つため。」と思えるようなキャリア教育が、
これからは必要な気がします。
そして、仕事は、社会や人の役に立つためのもの。と思った方が、
いい仕事ができるような気がします。