植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

講演会を開くのであれば

先日は、飛騨の高山市で講演をさせていただきました。

なんと、市内の19の小学校の5年生を全部集めてくださいました。

これを実現してくださったのは、「かみつれ会」という、
主婦の方々の集まりです。
彼女は「1年がかりでした・・・」と、懇親会では、ほっとされたご様子でした。
でも、これを、1年で準備できたのです。

彼女は、まず、市長さんに相談したそうです。
まずは、この行動力がすてきです。
もちろん、いきなりアポ無しなんてあり得ないから、
自分の意志をしっかり伝えて、アポを取ったのだと思います。

そして、市長との相談で、うまく思いを伝えられたからこそ、
次のステップにいけたのだと思います。
教育委員会です。

そこでも、沢山思いを伝えてくださったのだと思います。
もちろん「そんなことして意味あるの?」
「ロケットと教育って関係ないじゃん。」という声を浴びたはずです。
でも、思いを伝えてくださったのだと思います。

そして、仲間ができて、仲間が増えて・・・
でも、かかわる人が増えるほど、きっと嫌なこともあって・・・
でも、それを投げ出さないで、
たえがたきを、たえ。しのびがたきを、しのび。
実現にこぎ着けたのだとおもいます。

それが、はっきりとわかったのは、最初の講師紹介です。
普通は、講師紹介って、僕が聞いていてもつまんないです。
書いてあること、読んでるだけです。
でも、今回はちがいました。
もののみごとに、ご自分の言葉で、子ども達にわかりやすく伝えてくださいました。演劇の経験のある人かと思いました。
これこそが、この会を実現した人たちが、どんな思いなのかを、僕に教えてくれました。

彼女は、最初の挨拶で「なんどもあきらめようと思いました。」と言っていました。この言葉の向こうに、どんだけの苦労があったのかと思うと、涙が出そうになりました。

そして、この講演に来てくださった、近隣の町の方々が、自分の町にも!と燃えてくれているそうです。
きっと、もっと大きなつながりになるはずです。

そして、もっと大事なのは、
「どーせ無理」を使わない方がいいらしい。人の可能性を奪わない方がいいらしい。という共通認識を持った子ども達が増えることです。
これは、たった一人が知っていても、つらいんです。
でも、クラス全体が、学年全体が知っていたら、なにか変わると思うのです。

だから僕は、学校という単位にこだわるのです。

そして、その僕の思いを、かみつれ会の方々と、教育委員会の方々と、そしてもっともっと多くの方々が、形にしてくださいました。

とてもうれしいことに、僕を講演に呼びたい、という方はたくさんいます。
今回の高山の「かみつれ会」の方々のやりかたを、参考にされるとよいかもしれません。
まずは、市長に相談!(正しい言語能力が無いと、うまくいかないかもよ。)

ちなみに、よくよく見てみたら、植松電機の講演応募要領は2種類あります。
一般向けと、学校向けです。
一般向けは、減らすために金額を高く設定しています。
でも、学校向けは、価格が設定されていません。
もっと大事なものがあるだろうと思っています。

ちなみに、過去の経験では、「お金が無いから、こんだけでやってください。」という講演会は、波及効果はぜんぜんなかったです。できる範囲でやっただけのことです。
でも、努力してくださった所は、保護者も来るし、近隣の学校の先生も来てくれるし・・・そして、それが次につながっています。

昨日の学校の校長先生は、行く先々で僕を呼んでくれます。
そして、この校長先生の熱意で、他の学校でも僕を呼んでくれます。こういう連鎖も、本当にうれしいです。

金額であきらめる前に、できることをした方が効果的です。
僕は講演でそれを伝えているつもりなんですけどね・・・