植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

できなさそうだからやらない。じゃなくて、どうやったらできるか考える。

先日、重力波がとらえられたというニュースがありました。
ものすごい微小な変化を測定できる仕組みが実現したことで、
測定できたものです。
約100年前から、理論では知られていたことですが、
科学と技術の発達で、ようやく、現実が理論に追いついたことになります。
 
ロケットの開発で、とても重要な存在の人がいます。
ロシアのツィオルコフスキーです。
1857年生まれですから、約160年まえの人です。
 
彼の時代には、ロケットは存在していません。
でも彼は、ロケットについて考察し、
理論を考えます。
もちろんそれは、全く理解されませんでした。
伝記によると、「できもしないことを言うな」という言葉もあびたそうです。
 
でも、現在のロケットは、彼の理論で飛んでいます。
科学や技術が発達し、理論に現実が追いつきました。
 
 
僕は、永田先生と出会い、ロケット開発に関われるようになりました。
僕がロケットを作りたかったのは、
子ども達の自信を取り戻すきっかけにしたかったからです。
だから、学校を回って、宇宙の講演会の案内をして歩きました。
でも、関わった先生の中には「できもしないことを言うな」という人もいました。
確かに、その時点では、僕らのロケットはまだ飛んでいませんでした。
 
 
ともすると、夢を語ると、「できもしないことを言うな」と言われることがあります。
でも、それだと、ツィオルコフスキーの理論も、アインシュタインの理論も意味が無くなります。
 
僕は、いろんな夢があります。
中には、おそらく自分の代では実現しないかも、という夢もあります。
この世から、暴力やいじめを無くする、というのも、実現はかなり先かもしれません。
でも、自分の代で実現しなさそうだからこそ、次世代の育成が重要だと言うことを、僕は知っています。
 
できなさそうだから、やらない。
ではなく、
どうやったらできるかを考える。
 
そういう人がいたから、現実が理論に追いつき、
僕らの暮らしは便利になっているのだと思います。
 
ともすると、科学や技術の発達を、環境破壊とつなげて考えてしまう人もいますが、それを言ったら、人間そのものが環境破壊とも言えます。自己存在否定です。
それとも、自分のことを棚に上げて、自分以外を批判してるだけかな?
 
科学や技術の発達のおかげで、昔なら助からなかった病気や怪我から救われている人がたくさんいます。
安全な水も、便利な通信も、科学や技術の発達のおかげです。
そして、それを支えるのは、
できなさそうだから、やらない。
ではなく、
どうやったらできるかを考える人たちです。
 
僕は、そういう人が増えたら、世界はもっと良くなると思っています。