植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

先生は「世間知らず」とは限らないよ。

昨日のテレビ番組で、
水族館の「かわうそ」の子育てが描かれていました。
 
かわうそのお母さんが、子どものかわうそに、水泳を教えようと頑張りすぎて、子どものかわうその様子がおかしくなります。
それに気がついた飼育員の方が、子どもを助けて、人工飼育に切り替えていました。
 
動物の世界でも、親が子どもを育てきらない、ということは良くあることだと思います。
それは、人間の世界でも、ありうることだと思います。
 
そのとき、かわうその飼育員の方のような役目をする人はいるのかな?
 
残念なことに、すさんだ家庭はけっこうあります。
それは、所得の多寡にあんまり関係ないです。
お金持ちでも、ひどい家庭環境の家もあります。
低所得で、ひどい家庭環境の家もあります。
そこで暮らす子どもは、つらいめにあってることが少なくないです。
 
夢や、希望を否定されたり、
人格を否定されたり、
暴力をふるわれたり。
もちろん、家で勉強をしたりすることさえできない子もいます。
または、親が許可したこと以外、何もできない子もいます。
なんといっても、たいていの場合、親は、教育に関する正しい知識を学んでいません。
 
最近、学力向上の為に、宿題が以前より多く出される傾向があるそうです。
そのとき、家庭によっては、こどもたちがとても困ってしまうケースもあります。
 
僕は、子ども達の様子を一番よく知ることができるのは、
学校の先生だろうと思います。
そして、先生は、教育に関する特別な知識と、権限をもっています。
その先生が、厳しい家庭の子達の、最後の砦のような気がします。
もちろん、先生がすべての問題を解決できるはずが無いです。
だからこそ、先生は、他の人の力を借りるべきだと思います。
 
一人でできないことは、たいていの場合、一人だからできていないのです。
仲間を見つけて、力を合わせたら、できる可能性があります。
でも、先生の中には、プロ意識が高すぎるのか、何でも自分で抱え込んでしまい、人に頼ったり、相談したり、できない人もいます。
でも、それでは、問題が解決しないです。
 
時々、飲み屋さんなどで、教育談義に燃えるお父さん達がいます。
たいていの場合、「先生は社会の事を知らない!」と言い、
先生をボロカスに言います。
でも、そういうお父さん達も、どれくらい社会の事を知ってるかというと、自分の働いている環境のことしかわかってない人がほとんどです。
先生は、先生という職業については知っています。それ以外は、経験していないから知らなくて当たり前です。
同じように、先生以外の人だって、自分が経験したことしか知らないのです。
 
でも、先生は、決定的に有利です。
なぜなら、先生は、生徒の保護者と仲良くなれるからです。
そうすれば、数十人分の社会経験を知ることができるどころか、
そういう人達に手伝ってもらえば、すごく広いことができます。
先生は、せっかく、保護者と仲良くなれる場所にいます。
だから、仲良くなって、助け合えばいいのに、と思います。
本来、それが、PTAの役目だったような気がします。
 
だから、先生は、普通の人達が言う、「先生は世間知らずだ」という言葉に負けないで欲しいです。
その言葉に負けて、保護者と関わらないようにしてしまうと、本当に世間知らずになってしまいます。もったいないです。
先生は、まずは、一人でもいいから、素でつきあえる保護者を見つけた方がいいと思います。
 
助けを求めている子はたくさんいます。
シグナルを発してる子はたくさんいます。
それを、「家庭環境がひどいからねえ・・・」で済ましてしまわずに、いろんな人の力で、よりよくできたらいいなと思います。
 
誰にも頼らないのが、「ちゃんとした」生き方ではありません。
だってそれ突き詰めたら、仲間なんていらないですもん。
 
自分の弱みを知って、人に頼れるのが、本当の人間らしい人間かもしれない、と僕は思っています。