植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

リアルに進化論を考えないといけない時代

永遠に続く仕事はありません。
なぜなら、科学は発展するし、社会も変わるからです。

ダーウィンは、変化に適合できたものが生き残る。
と言っています。
変化には、変化で対応するしかないのかもしれません。

だから、僕は、
企業は、50%の力で食い扶持を稼ぎ、
50%の力で未来を拓くべき、と思っています。
企業が存続するためには、
現在金にならない研究開発への投資が不可欠だと思います。

例えば、ある企業が、
会社の働く人の雇用を守るために、
同じことを繰り返すだけの仕事をしたとします。
少し前までの日本なら、それでもなんとかなりました。
なぜなら、人口が増えていたから、需要も増えていたからです。
でもいまでは、人口は縮小しています。
しかも、流通と通信の改善で、世界はつながりました。

どこかの人件費が安い国で、
同じ仕事をされてしまったら・・・・
もしくは、どこかの国で、全行程ロボットで、
人件費がかからないで、同じ仕事をされてしまったら・・・
そしてそれが、日本に入ってきたら・・・
雇用を守るどころではなくなります。
会社そのものが無くなる可能性まであります。

いまや、ロボットの高性能化によって、
人間がやっていた単純な繰り返し作業は、
どんどん自動化されています。
その状況下で、企業が自社の食い扶持を考えたら、
人間を雇わずに、ロボット化するのが一番です。
でもそれでは、雇用は守れません。

雇用が減ると、就労人口が減ります。
すると、国家の税収が減ります。

あれ?でも、これから、自動化がどんどんすすむのであれば、
もしかしたら、個人の所得からの税徴収自体を
やめたらいいのでは?
事業はすべて登録せいにして、
ビジネスからだけ徴税するようにすると、
もしかしたら、雇用されない社会でも、
税収は守られるかも・・・
って、かんがえてるばあいじゃないですね。

雇用を守るためには、自動化を制限して、
不採算な雇用をし続けろ、
では、この国際社会で通用するわけがありません。
雇用を守るためには、
ロボット以上の仕事ができる人間をつくる以外にありません。
それは、国家として取り組むべき最重要課題です。

と同時に、企業が、単純作業の繰り返しから、
研究開発型に移行していく必要もあります。
ただ、注意が必要なのは、
研究開発だけでは食えない、ということです。
自分で行った研究開発の成果を活かして、
食い扶持も稼ぐという、ビジネス形態が必要です。
すなわち、
50%の力で食い扶持を稼ぎ、
50%の力で未来を拓く。です。

それを実現するためには、経営者が重要です。
経営者が持つ、他の社員と違う能力とは、
責任と判断です。
その責任と判断をフルに使うためには、
同じことを繰り返す、では不十分です。
経営者は、未知を開拓すべきです。

しかし、経営者が雇われの場合、
自分が経営者でいる間は、問題が起きませんように。
自分の退職金が無事にもらえますように。
と願ってしまう場合があります。
この場合は、研究開発なんてできませんね。
保身のために変化しない、を選ぶ経営者の舵取りする会社は
多くの社員を道連れに衰退していきます。
(日本国がそうではないことを祈りたい)

社会はフラクタルです。
全にして個。個にして全。
社会の姿は、個人の姿です。
50%の力で食い扶持を稼ぎ、
50%の力で未来を拓く。は、
個人のレベルでも、きっと重要なことです。

いま、思った以上に日本は変化しています。
ダーウィンの言葉を、リアルに体感する時代です。