植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

理解できないものを否定しないように。(理解すればいいのです。)

今日は札幌の小学校の子達が来てくれました。
とても朗らかで、優しくて・・・
いい子達でした。

植松電機の体験学習は
(1)僕のおはなし
(2)モデルロケット作成(全員作ります。)
(3)電磁石見学(発明について学びます。)
(4)微小重力実験装置見学(実際に落下試験をします。)
(5)ロケットエンジン燃焼試験見学(実際にエンジンを燃やします。)
(6)モデルロケット打ち上げ(全員打ち上げます。)
というプログラムです。

モデルロケットを作るとき、
僕は「作り方は教えないから、がんばってね。」と
伝えます。

子ども達は、がんばって助け合ってロケットを作ります。
そして、カラフルにデザインします。

このとき、助け合えない学校の場合は、
モデルロケット製作に、異常に時間がかかります。
でも、今日の学校は、記録的はやさで作り上げました。

そのロケットを打ち上げるとき、
子ども達は、とても不安になります。
なにしろ、全部自分で考えて作っています。
デザインもして、愛着もあります。
だからこそ、不安になります。
でも、だからこそ、うまくいった時の喜びが大きいです。

これが、中学生になると、
不安に負けて、わざと失敗するように作る子もいます。
なぜそれに気がつくのか?
それは、僕らが、子ども達が電磁石などを見学に行っている間に、モデルロケットを全部チェックするからです。
なぜなら、失敗したくて失敗する人はほとんどいないのです。
失敗は、気がつかないから失敗するのです。
実際、点検して、手直しが必要なロケットは、
そんなに沢山はありません。
あきらかに、うっかりわすれてる、というのが
ほとんどです。それを僕らは、こっそりなおします。
でも、あきらかに失敗しようとしているロケットもあります。
どんな子が作ったのか思い起こしてみると、
なんとなく納得できます。
無理をして強がっている子に、その傾向が強いです。

自信が無いから、つよがって、さわいで、あおって、
自信が無いから、ふざけて、すかして、しゃにかまえて、
自信が無いから、本気をだせなくて、本心をさらせなくて、
自信が無いから、必死で演技している。

こういうシグナルをばしばし出している子を、
放置してしまうと、状態は悪化します。
その子から、学級が崩壊することもあります。

小学校では、様々な資質の子達が、仲良く助け合います。
ぼくのお話も、一生懸命に聞いてくれます。
それが、中学生になると、自信を失い、自分を守るので
精一杯になってしまう子が多いのはなぜでしょう。

世の中の自動車を考えてみても、
スポーツカーもあります。セダンもあります。
ワンボックスもあるし、軽自動車もあります。
トラックもあるし、ダンプもあるし、
パワーショベルやロードローラーもあります。
適材適所です。
人間も、赤ちゃんから、お年寄りまで、
能力と性能に差があります。
適材適所であるべきです。

残念なことに、
自分が理解できないものを否定する人達がいます。
そういう人達が、努力する人を、抜け駆けとか、
ええかっこしい、とかよくやるわ、なにムキになってんの?
などとバカにします。

でも、バカにされた時に、怒ったり、やめたり、呪ったりしたら
バカになります。
相手の思うつぼです。

明日のために、今日の屈辱に耐えるのだ。です。

だからこそ僕らは、
自分の理解できないものを否定しないほうがいいです。
いみなくね?わけわかんね?と言わないことです。
みんなが気をつけたら、
きっと、個性が輝く社会ができると思います。