植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

暮らしをベースとした学問はどうでしょう。

学校では、生殖のことを教えます。
しかし、人の愛し方は教えません。
人を愛して、付き合って、交配して、子どもが生まれる。
その子どもを育てる。そのためには、仕事も大事。
お金も大事。お金を借りる必要もある。
生命保険も必要になるかも。
子どもの進路や、仕事についても考えないと・・・
という、人間として必要な知識を、
だれも与えてくれません。
だから、まともな家庭を築けない人が少なくないのかも。

人を愛する時には、心理も学ぶべきだし、
ホルモンのことも学ぶべきだし、
食事や薬物の影響も学ぶべきです。

生命保険を考える時は、確率や積分が重要になります。
お金を借りる時には、事業計画が重要です。
事業計画では、日本語も大事です。

思いを伝えるためには、プレゼンも大事だけど、
自己肯定感や自信も、それ以上に大事です。
では、自己肯定感や自信はどうやったら得られるのか?
を考えることも、とても意味があります。

そう考えると、
生きていくことを軸にして、
学ぶということもできそうな気がします。

いまの、単教科バラバラで、重複を減らすために無理にひねられた授業は、どうも違和感を感じます。
最近ようやく、クロスカリキュラム、という言葉も出てきましたが、
まだ二つの教科の重複部分を一緒に教えましょう、レベルかなと思います。

そうではなくて、学問は、よりよく活きるために必要なのだ、役に立つのだ、ということを実感させるような、生活や暮らしと密着した授業が大事だと思います。

受験勉強をがんばった、能力の高い子ども達が、
思考力を失い、人間関係をうまく作れない、という現象を
僕は十分すぎるほど見てきました。

本当は彼らは、未来をよりよくするための力だったのです。
それを、教育が、ロボット以下の存在にしているとしたら、
それは、国家的な、世界的な損失です。

素直で真面目な、教える側にとって都合の良い子どもを育成するのではなく、
よい社会人を育成する方法を、もう少し真剣に国家は考えるべきだと思います。
その可能性を、SSHスーパーサイエンスハイスクール)は持っています。ぜひ、がんばってほしいです。