植松努のブログ(まんまだね)

基本的に、facebookの僕の記事を転載します。

フランケンシュタインの誘惑という番組はとてもいいよ。

NHKの番組で、
フランケンシュタインの誘惑、というのがあります。
とてもおもしろいので、毎回楽しみにしています。
 
その中で、かつてアメリカの大学で行われた実験の話がありました。
スタンフォード監獄実験)
大学生をあつめ、半分を囚人役にして、半分を看守役にしたそうです。
囚人役は、看守役にはむかえない条件付きです。
看守は、囚人を監督するのが役目です。
それだけで、ほんの数日で、看守役の大学生は、
囚人役の大学生に、めちゃめちゃな暴言を吐き、
人権を侵害し、人格を否定し、暴力的に振る舞うようになり、
まもなく実験は中止されたそうです。
 
このお話しは、心理学実験のお話しとして、
海外の科学番組などでも何度も取り上げられています。
(他にも似たようなものとして、アイヒマン実験や、ミルグラム実験などもあるそうです。)
 
そもそもの試験の目的は、
「戦争で残虐な行為をした人たちは、そもそも残虐なのか?それとも、家族の誕生日に花束を贈るような普通の人なのか?」を確かめようとしたものらしいです。
 
僕は、この実験のお話しを耳にするたびに、
これは、学校でも、会社でも、普通におきているな、と思います。
相手が、自分の命令に反抗できない。そして、自分の命令は、自分の職務上必要なことだ、という条件を与えられると、
度を超した残虐性にスイッチが入るのかもしれません。
 
先日であった学校の先生は、
「中学校ではね、最初は穏やかだったのに、時間がたつと、度を超した暴言を使う先生になってしまうことがあるねえ。」と寂しそうに言っていました。
(そういう先生に注意をしようにも、生徒に問題行動がなければ、その指導は有効であると見なされてしまうので、注意はできないのだそうです。)
それも、この実験と同じような心理が作用しているのかもしれないです。
 
僕たちは、誰かを指導したり、教育したりする立場になることがあります。
そのときに、人道的ではない行動をとらないために、
こういう、恐ろしい実験のことを知っておくことは大事だと思います。
(というか、この実験のことは、学校の先生はみんな知っておくべきじゃないのかな?)
 
いい番組だから、見た方がいいです。